技研製作所は7月2日、元連結子会社であるJ Steel Group Pty Limited(以下、J Steel)との和解に伴い、2025年8月期第3四半期連結累計期間に特別損失を計上すると発表した。これに伴い、2025年8月期通期連結業績予想を修正し、純利益が下方修正となる見込み。
■特別損失の主な内訳
・訴訟関連損失:3百万豪ドル(301百万円)を特別損失として計上。
・貸倒引当金繰入額:J Steelに対する債権放棄による回収不能額511百万円を特別損失に計上。
技研製作所は、J Steelがオーストラリアで受注した工事に関する金融機関保証を履行したことにより、J Steelが金融機関に対して約11百万豪ドル(1,035百万円)の支払義務を負ったことに端を発する。技研製作所は親会社保証を設定していたため、金融機関に代位弁済を行い、J Steelに対する債権として計上していた。
J Steelは金融機関への返還に向けて係争中であったが、早期決着の可能性が低いと判断した技研製作所は、2024年8月に契約解除と債権の権利行使を要求。これに対しJ Steelは訴訟を提起したが、技研製作所は訴訟の長期化による経営への影響を鑑み、和解に至った。
今回の和解により、J Steelにかかわる技研製作所の権利・義務は全て解消され、今後の業績への影響はないとしている。技研製作所は、今回の決着を受け、海外事業に経営資源を重点的に投入し、グローバル展開を推進していく方針を示している。
■業績予想の修正
2025年8月期通期連結業績予想では、売上高26,100百万円、営業利益2,300百万円、経常利益2,450百万円は変更がない。しかし、特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前回発表予想の1,800百万円から1,260百万円に修正され、30.0%の減益となる見込み。1株当たり当期純利益も68.06円から47.64円に修正される。
なお、2025年8月期の期末配当予想については、株主への安定的な利益配分を重視する観点から、1株当たり32円(普通配当22円、記念配当10円)で変更はない。