リープヘルとSNAT、戦略的提携を深化 ─ 新型16気筒エンジンに共通レール技術を採用

 Liebherr ( リープヘル):2025年7月2日

 リープヘルと中国のエンジンメーカーSNAT(Shanghai New Advance Technology)は、次世代エンジンプラットフォームの開発に向けた戦略的提携を一層強化した。SNATは新たに開発した16気筒エンジンに、リープヘルの共通レール式燃料噴射システムを採用。初期火入れ試験の成功は、両社の協業における大きな節目であり、高度な技術提携の継続性を裏付ける成果となった。

■高性能エンジン開発を支える共通レール技術

 SNATはこれまでにも、同社の6気筒(25K)および12気筒(12VK)エンジンプラットフォームにおいて、リープヘル製の燃料噴射コンポーネントを採用してきた。両シリーズには高性能な「LI2.9」ディーゼルインジェクターが搭載されており、大型エンジン並みの流量性能と優れたコストパフォーマンスを両立している。

 この結果、6気筒直列エンジン(排気量25リットル)で最大960kW、12気筒V型エンジン(同57リットル)で2,185kWの出力を量産段階で実現している。SNATのプラットフォーム技術部門ディレクターである劉新彦(Liu Xinyan)氏は、「高い性能とシステムの安定性に関する良好な実績が、新たな16気筒エンジンでもリープヘルを選択する決め手となった」と語っている。

■高度なシステム統合と環境性能

 新型プラットフォームでは、コンパクトな設計と高出力密度を両立。リープヘルの共通レールシステムにより、一定の高圧噴射と電子制御による正確な燃料供給が実現されている。これにより、燃焼効率の向上や燃料消費・排出ガスの低減、そしてエンジンのスムーズな運転が可能になるという。

 1サイクルあたりの複数回噴射制御も可能で、パワーの立ち上がりやレスポンスの向上、静音化にも貢献。これら統合コンポーネントが、熱効率と運転信頼性の向上に大きく寄与している。

■グローバル連携による開発体制

 今回の開発プロジェクトは、リープヘルの国際開発ネットワークを象徴する事例となった。スイス、ドイツ、中国の技術チームが緊密に連携し、迅速なシステム統合と検証を実現している。

 両社がこれまでに築いてきた信頼関係と、実証済みの技術に基づくプラットフォームの拡張は、継続性と品質、そして協働エンジニアリングの重要性を示すものだ。SNATが新型16気筒エンジンにおいてもリープヘルをパートナーとして選んだことは、両社の「効率性」「拡張性」「将来対応力」を重視する戦略的な方向性を明確に裏付けている。

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