・新パートナーとの協業で南欧・アフリカ市場も開拓
Valmet (バルメット):2025年7月2日
フィンランドのバルメット(Valmet)は、ポルトガル国内のバイオ系プロセスプラントに対し、最新の分散制御システム(DCS)「Valmet DNA」を納入する。この案件は、同社が新たにバリュー・アディッド・リセラー(VAR)契約を締結したTecnilab AV Portugal S.A.を通じて受注したもので、既存の制御システムを置き換える形で導入される。プラントの生産能力増強に伴い、自動化の高度化が求められているという。システムの稼働開始は2025年末を予定している。
今回の受注は、バルメットの2025年第2四半期の受注実績に含まれており、契約金額は非公表。新たに納入されるValmet DNAは、軟化・乾燥・粉砕・副産物流など複数のプロセス領域をカバーし、各領域ごとに制御の冗長化を備えた独立制御が可能となっている。
中核となる「Valmet DNAe」ユーザーインターフェースは、Webベースで構成され、全ての操作員に役割に応じた最適な情報を提供。中央制御室と各プロセス専用制御室の双方から操作が可能となっており、生産量の増加時でもスムーズなオペレーションを支援する。
Tecnilab AVのコマーシャルディレクター、エルデル・ペレイラ氏は「生産拡大に対応し、あらゆるプロセス制御を統合できる点が導入の決め手となった。オペレーターにとっても使いやすく、生産性と品質目標の達成に貢献するだろう」とコメントしている。
また、バルメット ポルトガルにおけるオートメーション部門のカントリーマネージャー、ペドロ・リベイロ・ダ・シルバ氏は「Tecnilab AVは既に下水処理分野で信頼あるパートナーであり、今回の協業強化は当社のプロセス産業向けビジネスの拡大に向けた重要な一歩だ」と述べた。
両社が締結したVAR契約により、Tecnilabは今後、ポルトガル、スペイン、アフリカ(南アフリカを除く)市場において、バルメットのDCS製品を提供可能となる。これにより、南欧およびアフリカ諸国でのオートメーション市場への浸透が期待されている。
■Tecnilab AV Portugal S.A.について
Tecnilab AVは、ポルトガルを拠点とする技術サービス会社で、水処理や自動化をはじめとする幅広い産業分野にソリューションを提供している。
■Valmetについて
バルメットは、パルプ・製紙・エネルギー産業を中心に、プロセステクノロジー、オートメーション、サービスをグローバルに展開するリーディングカンパニー。19,000人超の従業員を擁し、2024年の売上高は約54億ユーロ。本社はフィンランド・エスポー市にあり、ナスダック・ヘルシンキに上場している。225年以上の産業史を背景に、継続的な改善と持続可能性の追求を特徴とする。
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