コネクレーンズ、日立エナジーのフィンランド新工場向けに産業用クレーン39基を受注

・変圧器製造に対応した大型・高精度のリフティングソリューションを提供、2026年末までに納入完了予定

 Konecranes (コネクレーンズ):2025年7月2日

 フィンランドのマテリアルハンドリング大手Konecranes(コネクレーンズ)は、日立エナジーフィンランド・ムスタサーリに建設中の新たな変圧器製造工場向けに、産業用クレーン39基を供給する大型案件を受注した。契約は2025年4月に締結されており、納入は2026年末までに完了する予定。

 受注したクレーンは、数トンから数百トンの吊り上げ能力を持つもので、うち4基は高機能大型クレーン「SMARTON」、21基は高性能電動ホイスト「Sシリーズ」を搭載したオーバーヘッドクレーン、14基は中・小型用途の「CXT」クレーンで構成される。いずれも重電機器製造の厳しい要件を満たす設計となっており、変圧器の製造現場に最適化されている。

 新工場「Hitachi Energy Park」は、同社がフィンランド西部ヴァーサ地域に整備する最新鋭の生産・技術拠点で、製造棟や試験設備、電化・自動化・ソフトウェア開発の専門職が勤務するオフィスを備える。これにより、同社のフィンランドにおける変圧器の製造・試験能力は2倍に拡張され、世界的に高まる変圧器需要や再生可能エネルギー導入、電化の加速に対応する。

 今回納入されるSMARTONクレーンは、主巻上装置で数百トンの重量物を扱えるほか、補巻上装置(10~20トン)を併設。大型変圧器部品の高精度な搬送を可能とするインテリジェント制御機能を備える。また、その他の設備は、工場スペースの最適化と作業効率向上のため、同期リフティング機能や軌道共有設計を採用した単・複式天井走行クレーンや壁面走行式クレーンが含まれている。

 コネクレーンズの産業用クレーン部門営業ディレクターのイスト・ヘイノ氏は、「これらのクレーンは、変圧器製造の厳しい要件に対応し、正確な制御と安全性を実現するモーターフックブロックや、クリーンな作業環境を支えるSシリーズの合成ロープホイストを採用しています。日立エナジーとの緊密な連携により、効率的な生産ラインを支える設備として最適に設計されました」とコメントしている。

 納入にはクレーン本体に加え、主要部品の予備品、電源供給ライン、オペレーター向けのトレーニング、法定の年次点検などの付帯サービスも含まれる。

 日立エナジー・フィンランドのマネージングディレクター、マッティ・ヴァットヴァーラ氏は、「私たちの投資計画は極めてタイトなスケジュールで進行しており、生産要件に合致したカスタム仕様のクレーン供給が不可欠です。クリーンエネルギーへの移行と電化の進展を支える変圧器は社会にとって極めて重要な技術であり、こうした生産体制強化の一環として、優れた安全性と信頼性、高荷重対応力を兼ね備えたクレーンが求められます」と述べている。

 コネクレーンズは、顧客志向の姿勢と継続的な技術革新を通じて、マテリアルハンドリング業界でのリーダーシップを確立している。デジタル化や脱炭素化、安全性向上に貢献するソリューションの開発を進め、持続可能な物流の実現を支援している。

■コネクレーンズについて
 コネクレーンズは、マテリアルハンドリング分野のグローバルリーダーとして、世界50カ国以上・約1万6,700人の従業員を擁し、幅広い業種の顧客に対し、より安全で生産的、かつ持続可能なソリューションを提供している。2024年の売上高は42億ユーロ。同社株式はナスダック・ヘルシンキ(証券コード:KCR)に上場している。

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