クボタは7月3日、同社が展開する営農支援システム「KSAS(ケーサス)」に、生成AIを活用した新機能「KSAS AIチャット」を正式に導入したと発表した。AIを活用することで、KSASの使用方法や新規就農者向けの情報、営農に関する質問に即時に対応可能となり、農業生産者の利便性が一層向上する。
■農業の課題解決を支える“次の一手”
クボタは2014年からKSASを通じ、農地管理や作業記録、農機の稼働状況の可視化といった機能をクラウド上で提供し、農業の効率化・高度化を支援してきた。今回のAIチャット機能の正式導入は、これまでの営農支援に次ぐ“次の一手”と位置付けられる。
同機能は、今年1月から試用版として一部ユーザー向けに公開され、検証を重ねてきた。その中で、作物の生育条件や農薬に関する質問、営農に関する相談が数多く寄せられたことを踏まえ、正式版ではクボタが発行する栽培ガイドや提案資料に基づいた幅広い回答が可能となった。
■対話履歴やマニュアル連携など機能を拡充 正式版では、新たに「対話履歴機能」を搭載し、過去の質問や対話の続きからやり取りを再開できるようになったほか、回答に関連するマニュアルの該当ページをPDFで表示する機能も追加された。
KSASの使用方法に加え、新規就農者向けの支援制度や情報収集のコツ、農作物の栽培に関する質問にも対応し、農業生産者の多様なニーズに応える内容となっている。利用には、KSASの会員登録とマーケットプレイスからの申し込みが必要だが、費用は無料。
■今後は営農データ分析なども視野に
クボタは今後、KSASに登録された営農データをもとに、生成AIによる分析機能の開発を進める方針を示しており、農業生産者の経営判断を支える高度なデジタル支援に向けた取り組みを加速させる。
同社は「農業生産者のパートナーとして、利便性の高いサービス提供を通じて日本農業の活性化に貢献していく」としている。
■KSAS(ケーサス)について
KSAS(Kubota Smart Agri System)は、クボタが提供する営農支援クラウドサービス。パソコンやスマートフォンを使って、電子地図を活用した圃場(ほじょう)管理や作業記録、進捗の見える化が可能で、農業経営の改善に資する情報基盤として機能する。
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