三菱重工、中国三門原発5・6号機向け循環水ポンプを初受注

・東方電機と協業、中国原子力ポンプ市場での展開強化へ

 三菱重工業は7月2日、中国の大手重電メーカーである東方電機(東方電機有限公司、四川省徳陽市)と協業し、中国浙江省に建設される三門原子力発電所5・6号機向けの循環水ポンプ4基を受注したと発表した。両社にとって原子力発電所向けポンプの協業受注は初めてであり、今後の市場開拓の端緒となる重要な案件となる。

 今回の受注は、三菱重工が進めるグローバルなパートナリング戦略の一環。外部パートナーとの協業を通じて、新たな市場ニーズへの対応力を高めるとともに、自社の高い技術力や製品・サービスを広く展開していく方針。

 三門原子力発電所は、中国南東部・浙江省台州市三門県に位置し、現在1・2号機が稼働中。3・4号機は建設段階にあり、5・6号機はそれに続く増設計画となる。炉型には、出力1215MWe級の中国国産加圧水型軽水炉「華龍1号(HPR1000)」が採用される。

 循環水ポンプは、加圧水型原子炉の2次系統で使用される大型機器で、タービンから排出された蒸気を復水器で冷却・復水させるために、外部から大量の冷却水を取り入れ循環させる重要な役割を担う。三菱重工は国内外でこれまでに500基以上の循環水ポンプを納入しており、豊富な実績と信頼性を強みに世界市場への展開を進めている。

 同社は今後も、脱炭素化やエネルギー効率向上といった電力業界の課題に対し、高付加価値なソリューションを提供することで、国際社会の持続可能な成長と環境負荷低減に貢献していく考え。

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