ジョンディア、バックホーローダーを全面改良――後方カメラなどで視界向上、快適性と操作性も強化

 Deere & Company (ディア社):2025年6月27日

 米イリノイ州モリーン、ジョンディア(John Deere)は、同社のバックホーローダー(後方掘削機)シリーズに新たな機能強化を施したと発表した。業界初となる後方カメラシステムや視界を拡大した新型キャブ(運転席)を採用し、現場での安全性と快適性を高めた。

 今回の改良は、地下埋設工事や造成現場などにおける作業効率の向上を狙ったもので、視認性、操作性、快適性の3点を軸に設計が見直された。

■業界初の後方カメラで死角を解消
 新型バックホーには、業界で初めて後方カメラシステムを標準搭載(※一部モデルはオプション)。8インチのタッチスクリーンに映像を表示し、後部構造物による視界の妨げを軽減。現場内の安全性を高める。また、LED作業灯やLED方向指示器も装備し、夜間や薄暗い環境でも作業が可能となっている。

■キャブの視界と居住性を刷新
 運転席キャブは大幅に刷新された。左右の支柱を1本に統合し、特にダンプ積みや掘削作業時の視野を広げた。後方上部にも窓を新設し、掘削現場や狭隘空間での作業精度が向上している。

 キャブ内も快適性を追求。座席旋回時の足元スペースを5インチ(約12.7cm)広げ、作業中の身体移動をスムーズにした。空調システムは従来比で10%の風量増加を実現し、暑寒対応力を強化。加えて、暖房・冷却機能付きのシート(オプション)も用意されている。

■操作性・収納性にも配慮
 長時間作業を考慮し、ローダー操作グリップも人間工学に基づいて再設計。手のひらを上に乗せる形状で疲労を軽減する。キャブ内外には工具や小物の収納スペースを追加し、現場での利便性も高めた。

 そのほか、次のような改良も加えられている:
• 手動式アウトリガーロックと位置警告システム(オプション、全モデル対応)
• 日差しを遮る面積を拡大した新型サンシェード(Pティアのみ、オプション)
• シート移動時の足元空間を確保する広幅キャブと新設計パイロットタワー(標準装備)
• キーレススタート対応の統合スイッチモジュール(全モデル標準)
• ガススプリング付きの改良型工具ボックス(Pティアは標準、310 Gティアはオプション)

 さらに、既に導入済みの「ヘビーリフト機能」や「PCLS(負荷感知型油圧)」を搭載した320・410・710 Pティアモデルと合わせ、ジョンディアのバックホーは、土木・建設現場での多様なニーズに応える汎用機へと進化を遂げている。

■ John Deere (ジョンディア)についてについて
 ジョンディアは、農業、建設、林業、芝管理、パワーシステムなど多岐にわたる分野で機械・ソリューションを提供する米国のグローバルメーカー。創業から約200年、食料、繊維、燃料、インフラ整備の分野で世界の人々を支えている。

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