エバラ食品、茨城県に新工場建設へ、群馬工場は2027年に操業終了

・国内製造体制を再編、多品種少量生産に対応

 エバラ食品工業(横浜市西区)は6月30日、国内の製造体制を見直し、茨城県下妻市に新工場を建設すると発表した。これに伴い、群馬県伊勢崎市にある群馬工場は2027年3月をめどに操業を停止する。変化する市場ニーズに柔軟に対応できる生産体制の構築を目指す。

■多様化するニーズに応える製造体制へ
 同社は、2033年度を見据えた長期ビジョンのもと、「おいしさ・たのしさ・あたらしさで食カテゴリーを創造する企業」を目指しており、その一環として製造体制の変革を進めている。

 今回の再編では、これまでの大量生産中心の体制から、需要の多様化に応じた多品種少量生産にも対応できる体制へとシフト。より柔軟かつ機動的な製品・サービスの提供を可能にするための基盤整備となる。

■新工場は下妻市の工業団地内に建設
 新工場は、茨城県下妻市の「しもつま中央工業団地」内の敷地(面積:61,125.45㎡)に建設される。取得費用は約21億円で、工場名は「茨城工場(仮称)」。第1期の稼働は2028年度ごろを予定している。

 この工業団地は、下妻市が設立した一般財団法人下妻市開発公社が事業主体となって新たに開発したもので、エバラ食品にとっては最大規模の工場用地となる。今後、数期に分けて生産設備を整備していく方針。

■群馬工場は2027年に操業終了
 一方、業務用ラーメンスープやがらスープなどを製造していた群馬工場は、2027年3月をめどに操業を終了する。生産品は他の国内グループ工場などに移管される。
<群馬工場の概要>
所在地:群馬県伊勢崎市長沼町1744番4
設立:1980年7月
従業員数(2025年3月末時点):37名(うち臨時雇用者23名)

 なお、群馬工場の従業員については、雇用維持を最優先とし、同社グループ内の拠点へ配置転換を進めるとしている。

■業績への影響は軽微
 群馬工場の閉鎖に伴う費用は現在精査中だが、現時点では2026年3月期(2025年度)の連結業績予想に修正は不要としている。今後、業績への影響が判明した場合には速やかに開示する。また、新工場の具体的な建設スケジュールや設備規模などの詳細も、決定次第公表する方針。

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