英JCB、英財務相に水素エンジン開発の進捗を報告、ゼロエミッション建機の普及加速へ

 JCB:2025年6月27日

 英建機大手JCBは、6月26日に本社(スタッフォードシャー州ロチェスター)を訪問した英国財務相レイチェル・リーブス氏に対し、同社が進める水素エンジンおよび水素駆動建機の開発状況を報告した。JCBはこれまでに総額1億ポンド(約200億円)を投じ、水素技術の実用化に取り組んでいる。

 開発の中心となっているのは、ダービーシャー州フォストンにあるJCBパワーシステムズの拠点で、100人以上のエンジニアが水素燃焼エンジンの開発に携わっている。リーブス氏は2022年9月にも同拠点を視察し、水素エンジンを搭載した試作の掘削機のデモンストレーションを見学。簡易な水素補給操作も体験していた。

 今回の訪問では、JCB会長のアンソニー・バンフォード卿が、水素補給技術の進化を紹介。財務相は、牽引型のモバイル水素補給機を用いて、試作段階の水素式バックホーローダーへの補給作業を再び体験した。

 リーブス財務相は「スタッフォードシャーでJCBのゼロエミッション建機を実際に見ることができて素晴らしかった。JCBは建設業界の脱炭素化において、水素が重要な役割を果たすことを証明している。未来の雇用創出と、経済成長による所得向上に貢献する取り組みだ」と述べた。

 バンフォード卿は「英国の技術者たちが水素エンジンと関連補給技術で着実に成果を上げていることを財務相にご覧いただけた。今後必要なのは、グリーン水素の生産に対するさらなる投資だ。水素駆動建機を早期に、かつ大規模に市場投入するには、それが不可欠である」と語った。

 なおJCBは、欧州連合(EU)のノンロードモバイルマシン(NRMM)向け水素エンジンで、型式認証(EUタイプアプローバル)を今年取得済み。これにより、同社の水素エンジンはEU加盟27カ国および欧州経済領域(EEA)・欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国で販売・使用が可能となった。また英国国内での認証(GBタイプアプローバル)もすでに取得している。

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