コネクレーンズ、スコットランドのBAEシステムズ新造船施設に海軍フリゲート艦用特殊クレーンシステムを納入

・グラスゴーの新施設で最新鋭26型フリゲート艦の並行建造を可能にする大型クレーン4基を設置完了

 Konecranes(コネクレーンズ):2025年6月26日

 フィンランドの世界的マテリアルハンドリング企業コネクレーンズ(Konecranes)は、英国防衛大手BAEシステムズのスコットランド・グラスゴーにある新造船施設「ゴヴァン造船ホール」に、海軍フリゲート艦建造用の特殊クレーンシステムの設置を完了したと発表した。

■同時建造を実現する革新的なクレーンシステム
 今回設置されたのは、20トン×56メートルの電動天井クレーン(EOT)2基と、100トン×70メートルのガントリークレーン2基の計4基。これらのクレーンにより、最新鋭の26型フリゲート艦2隻を同時に屋内で建造することが可能になり、生産効率の大幅な向上とスコットランドの悪天候による影響の排除を実現する。
造船ホールは全長170メートル、幅80メートルの巨大な施設で、6,000トンを超える鋼材と2万立方メートルのコンクリートで建設されている。1シフトあたり最大500人の作業員を収容可能な規模を持つ。

■安全性と効率性を両立した技術
 設置されたクレーンシステムの最大の特徴は、高度な安全システムの搭載だ。4基すべてのクレーンが近接した状態でも安全に作業でき、必要に応じて20トンクレーンが大型クレーンの下を安全に通過できる仕組みになっている。高さ30メートルのガントリークレーンは、大型船舶建造に必要な重量物の取り扱いを可能にする。
コネクレーンズUKのアンディ・ペイリング氏(ETO クレーン セールス マネージャー)は、「当社の先進的なクレーン技術には、スマート機能やTRUCONNECTなどが含まれており、このような要求の厳しい作業に必要な信頼性と予知保全機能を提供します」と述べている。

■プロジェクトの成功要因
 主契約業者のマクローリン・アンド・ハーベイ社のジョナサン・コール氏(オペレーション マネージャー)は、コネクレーンズとの協業について高く評価している。「コネクレーンズチームは、あらゆるシナリオを綿密に計画し、プロジェクト全体を通じて専門知識と革新性を実証しました。設置期間中の安全衛生への取り組みは、当社の価値観と完全に一致していました」と語った。

■26型フリゲート艦建造の加速
 このクレーンシステムの導入により、英国海軍向けの26型フリゲート艦の建造スケジュールが大幅に改善される見込みだ。従来の屋外建造では天候に左右されがちだった作業が、屋内での並行建造により安定化し、防衛装備品の納期短縮に貢献すると期待されている。
 2022年後半に受注されたこの契約は、2025年6月に納入・設置が完了し、正式にBAEシステムズに引き渡された。

■コネクレーンズについて
 コネクレーンズは、世界50カ国以上で約16,700人の専門家を擁するマテリアルハンドリングソリューションの世界的リーダー企業。2024年のグループ売上高は42億ユーロを記録し、ナスダックヘルシンキ証券取引所に上場している(銘柄コード:KCR)。同社は継続的な技術革新とデジタル化への投資により、より安全で生産性が高く、持続可能なマテリアルハンドリングソリューションの提供を目指している。

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