Volvo Construction Equipment (ボルボCE ):2025年6月24日
スウェーデンの建設機械大手、ボルボCE は、中国における事業戦略を見直し、山東臨工(SDLG)の株式70%を売却すると発表した。売却先は、SDLGの少数株主である臨工集団(LGG)が主に出資するファンドで、取引金額は80億スウェーデンクローナ(約1,200億円、15円換算)に上る。規制当局の承認を経て、2025年後半の完了を見込む。
ボルボ CEは2006年にSDLGの筆頭株主となり、中国建設機械市場への本格進出を果たした。以降、SDLGとの協業により中国国内でのプレゼンスを確立してきたが、ボルボCEとLGGはそれぞれ独自の戦略を追求する方針で合意し、提携を解消することとなった。
同社のプレジデント、メルカー・イェーンベリ氏は「SDLGは当社に多くの価値をもたらしてくれたが、競争の激化や技術革新、顧客ニーズへの対応力強化が求められる中で、事業の焦点を再調整する必要がある。今後は持続可能なソリューションと特定市場への集中を通じて、中国市場での成長機会を最大化したい」とコメントしている。
■中国ではボルボブランドに一本化、特定セグメントに集中
今後、ボルボCEは中国市場において「ボルボ」ブランドの高付加価値製品とサービスの提供に注力し、鉱山、砕石・骨材、大型インフラといった重点分野での存在感を強化する。顧客ごとの課題に対応したソリューション提供を進めるとともに、競争の激しい中国市場に適した持続可能な販売体制の構築を目指す。
■中国を世界向けの生産拠点に位置づけ
また、中国における製造体制は、国内向けと海外輸出向けの双方に対応するグローバル生産拠点としての機能を担う。ボルボCEは2002年から上海に油圧ショベルの生産工場を持ち、近年では新たな生産ラインの整備にも取り組んでいる。今後も同地域の優れた品質とコスト競争力を生かし、グローバルなサプライチェーンにおける重要拠点として活用していく方針。
■技術開発拠点・済南テクノロジーセンターを強化
加えて、中国・済南にある技術開発拠点「済南テクノロジーセンター(JTC)」を、ボルボCEのグローバル技術ネットワークの中核施設としてさらに強化する。世界共通のアーキテクチャの構築や製品開発の主導権を担うなど、グローバル市場向けのイノベーション創出拠点としての役割を拡大する。
ボルボCEは中国市場を依然として重要な戦略拠点と位置づけており、脱炭素社会を見据えた新技術・新製品の開発と市場投入を加速させる構え。
コメントを投稿するにはログインしてください。