日本製鋼所(JSW)、業界初の超大型4,000トン電動射出成形機を標準ラインナップに追加

 日本製鋼所(JSW)は6月23日、型締力4,000トンを誇る超大型電動射出成形機「J-ADS4000ELⅢ」を標準機として新たにラインナップに加えたと発表した。業界初となるこの機種は、従来の油圧式と比べて成形品質と生産効率に優れ、カーボンニュートラルへの対応にも貢献するという。

 電動射出成形機は、省エネ性や高精度制御などの利点から、小型・中型機を中心に導入が進んできたが、超大型機では駆動方式の制約から油圧式が主流だった。JSWは、自社開発の高出力駆動技術や大型電動サーボモーターを活用することで、電動化の課題を克服。最大300kg超の成形品にも対応できる能力を実現した。

 新機種は、同社がこれまで培ってきた全電動式の成形技術「J-ADS シリーズ」のフラッグシップ機で、量産性と品質の両立を図るとともに、タイバー間隔などの構造設計も最適化。近年、需要が拡大している自動車部品やコンテナ、産業機器カバーなどの大型製品の成形工程において、生産性の飛躍的な向上が期待される。

 JSWでは、2022年に発売した2,000トンクラスの「J-ADS2000ELⅢ」の市場評価を受け、より大型の電動成形機に対する需要があると判断。今回の開発に至った。今後は成形品の大型化・複雑化に対応しつつ、電動化による省エネとCO₂排出削減を提案していく方針。

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