三井E&Sは6月23日、港湾向け水素荷役機械の普及に不可欠な水素充填システムの開発に着手すると発表した。同社の提案する調査研究事業「水素を燃料とする荷役機械に向けた水素充填システムに関する調査研究事業」が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」に採択された。
海上コンテナ輸送におけるCO2排出削減は喫緊の課題となっており、三井E&Sはこれまでに、燃料電池(FC)を動力源とするラバータイヤ式門型クレーン(RTGC)の開発・実証に世界で初めて成功している(2023年4月、NEDOとの共同事業)。近年、港湾ターミナルでは水素を燃料とする荷役機械の導入に向けた実証が進められており、今回の取り組みはそのインフラ面を支える技術開発となる。
同社が開発を目指す水素充填システムは、水素荷役機械が港湾で本格運用される将来を見据え、効率的かつ大量の水素供給を可能にするもの。開発にあたっては、必要とされる要件や機器仕様の調査に加え、法規制や認証制度に関する検討も進める。
三井E&Sは「本事業により、港湾におけるCO2排出削減とともに、水素関連技術の国際展開や関連産業の振興、雇用創出にも貢献できる」としており、脱炭素社会の実現に向けた水素インフラの整備に一層取り組む方針。