三一重工の無人舗装・転圧機群、京哈高速で480時間超の連続施工に成功

・中国インフラ建設の新たな象徴に

 三一(SANY):2025年6月19日

 中国の高速道路建設が、無人化技術の導入により新たなステージへと突入した。6月18日、京哈(北京〜ハルビン)高速道路の綏中〜盤錦区間で進められている改築・拡幅工事の現場で、三一重工(SANY)の無人舗装・転圧機群による施工の公開デモンストレーションが実施され、全国の交通建設関係者約300名が集まり、その先進的な施工技術を目の当たりにした。

 今回の実演で導入されたのは、2台の無人舗装機と10台の無人転圧機から構成される機械群。北斗衛星測位システムと高度なAIアルゴリズムを融合させた運行制御により、施工精度は「センチメートル単位」に達し、連続稼働時間は延べ480時間(20日間以上)に及んだ。舗装幅は過去最大となる25.25メートルに達し、2024年に達成した19.25メートルを大きく更新した。

 この京哈高速区間は、中国高速道路網の中でもとくに地形・環境条件が厳しい「複雑工況地帯」とされているが、三一の無人機群は24時間連続施工を実現し、短工期・高負荷という課題を克服。現場では、滑らかな起動・停止と均一な走行により、舗装品質の安定性も確保された。すでに90キロ近くの区間を施工済みで、従来と比べて施工効率は約20%向上、作業員は60%削減されたという。

 同日午後に開催された座談会では、三一重工や施工を担う中鉄一局、学会関係者らが登壇し、無人施工技術の有効性を検証。参加者からは「高速道路建設における新たな業界基準が誕生した」と高く評価された。

 本プロジェクトの意義は生産性向上にとどまらない。当初7月末とされていた完成予定は6月25日へと前倒しされ、安全設備設置など次工程の準備期間を確保。さらに高危険作業への人員投入を減らすことで、施工中の事故ゼロも達成した。

 「今回の成果は、単なる建設機械の無人化にとどまらず、インフラ建設のスマート化という新たなパラダイムを示した」と関係者は語る。中国の“製造大国”から“知能大国”への進化を象徴するプロジェクトとして、今後の『一帯一路』関連事業やグローバル市場展開でも大きな注目を集めそう。

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