アリソン・トランスミッション、ダナのオフハイウェイ事業を27億ドルで買収、動力伝達技術を強化

 Allison Transmission Holdings Inc.(アリソン・トランスミッション):2025年6月11日

 インディアナポリス発、アリソン・トランスミッション(NYSE: ALSN)は6月11日、米ダナ社(Dana Incorporated)のオフハイウェイ事業を約27億ドル(約4,000億円、148円換算)で買収する正式契約を締結したと発表した。建設・農業・鉱業などの産業分野向けに車軸やドライブトレインなどを手がける同事業を傘下に収めることで、アリソンは商用パワートレインの提供領域を大幅に拡大する。買収完了は2025年末の見込み。

 アリソンの会長兼CEO、デビッド・グラツィオージ氏は、「今回の買収は、当社の中核技術を強化し、グローバル市場での成長を加速させる変革的な一歩だ」とコメント。新体制のもとで顧客や株主に対する価値創出をさらに推し進める方針を示した。

 買収対象のオフハイウェイ事業は世界25カ国以上で展開し、約11,000人の従業員を擁する。建設機械、林業機械、農業機械、特殊車両、鉱山機械向けの車軸、電動・ハイブリッド駆動系などで高い技術力を有し、グローバルに製造拠点と技術センターを構えている。

 ダナの会長兼CEO、R・ブルース・マクドナルド氏は「本事業は長年にわたり革新的なソリューションを提供してきた。アリソンのもとで、さらなる成長が期待できる」とコメント。ダナとしては中核事業への集中を進める一環だという。

 買収後は、両社の技術・販売網を統合し、顧客ニーズに応じた差別化製品の開発や新たな市場開拓を目指す。アリソンは、移行と統合プロセスを通じて、顧客・従業員・取引先への継続的なサポートを行う方針を示している。

 本取引は両社の取締役会で承認済みで、規制当局の承認を経て2025年第4四半期の完了を見込む。買収はアリソンの1株当たり利益を即時押し上げる効果があるとされ、年1億2,000万ドル規模のシナジー効果を見込む。資金は手元資金と負債の組み合わせで賄う。

 なお、アリソンは6月12日午前8時45分(米東部時間)より、投資家・アナリスト向けに本買収に関する説明会を開催する予定。詳細はアリソンのIRサイトで公開されている。

■Allison Transmission Holdings Inc.(アリソン・トランスミッション)について
 アリソン・トランスミッションは、商用車および防衛車両向けの自動変速機と駆動システムの世界的メーカー。1915年創業、インディアナ州インディアナポリスに本社を構え、オランダ、中国、ブラジルに地域本部を持つ。150か国以上に展開し、独立系の販売・サービス網を世界に1,600か所以上展開する。製造拠点は米国、ハンガリー、インド。電動化技術にも注力しており、インディアナ州、ミシガン州、英国ロンドンに開発拠点を持つ。

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