・県内初の系統用蓄電所を新設へ
日本蓄電池(東京都千代田区)は6月18日、熊本県宇城市と同市内における系統用蓄電所の建設に関する立地協定を6月12日に締結したと発表した。熊本県内では初となる同蓄電所は、再生可能エネルギーの活用と電力需給の安定化に寄与するもので、2025年12月の受電開始を予定している。
立地協定の調印式は、同日午後3時から宇城市役所で行われ、宇城市の末松直洋市長と日本蓄電池の漆原社長が出席した。
■電力系統の“調整力”を担う
太陽光発電など再生可能エネルギーの普及が進む一方で、発電量の変動性が電力需給の調整課題となっている。日本蓄電池では、こうした課題に対応するための「系統用蓄電所」の整備を進めており、今回の宇城市での取り組みはその第1号となる。
<宇城市蓄電所の概要>
所在地:熊本県宇城市豊野町安見207番
事業者:日本蓄電池株式会社
施工主:株式会社九電工
DC出力:8,146kWh(407.3kWh × 20台)
AC出力:1,998kW(1,000kW × 2台)
蓄電池メーカー:株式会社TMEIC
受電開始予定:2025年12月頃
災害対応:電源タップを備え、災害時・停電時に住民へ電力供給可能(約4,000世帯が2〜3日利用可能)
■災害時の電力供給拠点としても活用
宇城市蓄電所には、災害時に住民が利用できる非常用電源タップを設置。停電時などには蓄電した電力を開放し、地域の防災拠点としても機能する。今後は各自治体との防災協定締結を進め、全国の蓄電所を「災害対応型ステーション」として整備する計画。
■全国で拠点展開、2026年までに80箇所目指す
日本蓄電池は、2025年中に全国で20箇所、2026年までに80箇所の蓄電所の運転開始を計画している。蓄電所の構築だけでなく、運用・メンテナンスや新たな蓄電市場の創設にも注力し、企業や投資家が参入しやすい環境づくりを推進。持続可能なエネルギー社会の実現に貢献する方針。
<企業概要>
社名:日本蓄電池株式会社
設立:2024年7月29日
代表者:代表取締役社長 漆原秀一
本社所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング13階
事業内容:系統用蓄電池事業
会社HP:https://www.nipponchikudenchi.co.jp