ヤンマー、自動操舵で「隅刈り」を実現、新型コンバイン発売へ

 ヤンマーホールディングス傘下のヤンマーアグリ(岡山県岡山市)は6月19日、水田の隅部の複雑な刈り取り作業(隅刈り)まで自動で行う新型オートコンバイン3機種を、2025年8月1日に発売すると発表した。これにより、熟練を要した作業を自動化し、稲作現場の効率化と省力化に貢献する。

 今回発表されたのは、YH6115,A、YH6135,A、YH7135,Aの3モデル。最大の特徴は、従来のコンバイン作業で難易度が高かった隅刈りのハンドル操作を自動化したことである。これにより、2周目以降はオートモードでの作業が可能となり、隅刈り時の稈(かん)こぼれを防ぐ「刈取クイック連動」も自動化され、作業効率の向上が図られる。
新型機は、ほ場の形状や作業状況に応じ、以下の3つの自動モードを搭載している。

■3つの自動モードで多様なほ場に対応
* オートモード: 最初の1周を手動で走行し、ほ場の外形を登録するだけで、直進、刈取昇降、隅刈り、旋回、排出への移動など、刈り取り作業の全ての操作を自動で行う。
* 枕地直進モード: 横長のほ場などに最適なモードで、旋回は手動で行うものの、登録したほ場の外周に合わせて直進は自動で行われるため、オペレーターの負担が軽減される。
* 直進モード: オートモードが使用できないような複雑な形状のほ場でも、設定した基準線に対して平行に自動で直進する。
さらに、クローラと刈取部の位置も自動で制御され、前工程で排出されたわらを自動で回避する機能も備える。
 希望小売価格は22,825,000円から25,729,000円(税込)。ヤンマーは、今回の新型オートコンバインの投入により、スマート農業を推進し、全国の稲作農家の経営効率化と省力化に大きく貢献していく方針。

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