ヤマハロボティクス、2030年代初めに売上1,000億円目標

・新会社設立で半導体後工程製造装置市場への本格参入を強化

 ヤマハ発動機ヤマハロボティクスホールディングス(YRH)は6月19日 、7月1日に設立するヤマハロボティクス(YRC)の中長期経営計画を発表した。新会社は半導体後工程製造装置事業で、2030年代初めに1,000億円の売上目標を掲げる野心的な成長戦略を打ち出した。

■事業統合による新体制の確立
 YRCは、YRHとその子会社である新川、アピックヤマダ、PFAの統合により誕生する。この統合により、半導体後工程および電子部品組立装置の開発から製造、販売まで一貫した事業展開を可能にする。
 同社の成長目標は段階的に設定されており、中期計画最終年度の2027年に500億円以上、その後2030年代初めには1,000億円の売上収益達成を目指している。

■二本柱の成長戦略
 YRCの戦略は「事業成長」と「体制進化」の二つの軸で構成される。
 事業成長面では、「コア領域(一般半導体)で稼ぎ、成長領域(先端半導体)で伸ばす」という明確な方針を掲げる。コア領域では新プラットフォームモデルの投入により収益基盤を固める一方、成長領域では先端半導体への集中投資と将来技術の開発を推進する。
 体制進化面では、統合によるシナジー効果の最大化を図る。具体的には、製造・販売・技術・サービス・コーポレートの5つの事業コア機能を強化し、人材の採用・育成・活用施策も充実させる。

■グローバル展開の加速
 海外市場への展開も重要な成長ドライバーとして位置づけられている。これまでの韓国とベトナムでの拠点拡大に加え、成長が期待されるインド市場への新規参入も計画している。インドでは新たに販売サービス拠点の設置を予定しており、アジア太平洋地域での事業基盤を一層強化する。

■世界トップクラス企業への飛躍
 ヤマハ発動機とYRCは、この統合と成長戦略により「顧客の期待を超える価値と信頼の創出を加速させ、半導体後工程および電子部品実装分野における世界トップクラスのトータルソリューション企業」を目指すとしている。
 半導体市場の急成長と技術革新が続く中、ヤマハグループのロボティクス事業が新たな成長軌道に乗れるかどうか、業界関係者の注目が集まっている。

 ニュースリリース