中国・インフラ建設加速、建機稼働が各地で活発化、5月は東北・西部がけん引


 三一(SANY):2025年6月17日

 中国におけるインフラ建設の動向を示す指標の一つである「央视财经掘削機指数(CCTVファイナンス ×三一重工×樹根互聯 (ツリールート相互接続)共同作成)」の最新データが公表された。これによると、5月の中国各地で建設機械の稼働が引き続き活発となり、道路や橋梁といった大型インフラプロジェクトが全国的に進展していることが明らかになった。

■青海と吉林が稼働増率で首位争い、全国平均は47.3%
 5月の全国における建設機械の平均稼働率は47.34%。省別では安徽、北京、浙江、吉林、遼寧、海南、河北、青海、江西、寧夏の順で稼働率が高かった。中でも青海省の稼働率は前月比3.14ポイント増で全国トップ、吉林省も2.87ポイント増と急伸した。

 また、全国31省・自治区・直轄市のうち16地域で稼働量が前月を上回り、特に黒竜江、青海、吉林、西蔵(チベット)、北京、新疆、内蒙古、寧夏の8地域では稼働量が10%以上の伸びを記録した。

■舗装機械の稼働も好調、全国の交通プロジェクトが本格化
 道路建設に使われる舗装機械の5月稼働率は29.83%で、前月比1.72ポイント増、前年同月比では1.87%増加。特に、アスファルトフィニッシャー(摊铺机)の稼働量は前月比14.65%増と大きく伸びた。ローラー(圧路机)も11.09%増加し、春から初夏にかけての好季節を背景に、道路・橋梁などの重点プロジェクトが各地で進行している。

■地域別では東北がトップ、西部も急伸
 地域別では、東北地区の稼働率が60.39%と全国首位。次いで西部(53.77%)、中部(52.36%)、東部(46.4%)の順だった。東北では稼働率が前月比17.01%も伸び、油圧ショベル(65.82%)、舗装機械(49.78%)など多くの機種で全国1位を記録。特に、クローラクレーンは稼働率71.97%、コンクリート混練プラントでも37.14%と高水準だった。

■西部の成長顕著、寧夏ではクローラクレーンが前年比249%増
 西部地域では、再生可能エネルギー基地や国際陸港、データセンター、越境鉄道といった国家プロジェクトの進展が背景となり、建機稼働が大幅に伸びている。特に寧夏では、クローラクレーンの稼働量が前年同月比で249.03%増、ロータリードリルも223.01%増と全国首位を記録。また、広西ではスタッカーの稼働が153.96%増となった。

■東部はコンクリート機器で存在感、ミキサー車など稼働首位
 東部地域は全体の稼働率では46.4%と控えめながら、コンクリート関連機器で全国首位の稼働率を記録。特に、コンクリートポンプ車(泵車)やミキサー車(搅拌车)、トレーラーポンプ(拖泵)、車載ポンプなどの稼働率がそれぞれ全国トップに立った。

 インフラ投資を牽引する建機の稼働状況は、中国の固定資産投資や経済の地域別動向を示す重要な指標として注目されており、今後の経済成長の行方を占う上でも引き続き注視される。(出典:央视财经:CCTVファイナンス)

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