Metso(メッツォ ):2025年6月17日
フィンランドのメッツォは6月17日、オマーンで建設が計画されている鉄鉱石選鉱プラント向けに、主要なプロセス設備を納入する契約を締結したと発表した。発注元は中国・済南鋼鉄集団(Jinnan Iron & Steel Group)で、同社にとってオマーンでの初の鉱山関連事業となる。
プラントはオマーン北部の港湾都市スハールに建設され、2027年の操業開始を予定。年間1,260万トンの高品位鉄鉱石(DRグレード)精鉱の生産を目指す。中東からの直接還元(Direct Reduction)グレード鉄鉱石供給の新たな拠点となることを見込んでいる。
メッツォが供給するのは、粉砕工程向けのVertimill® VTM-4500ミルおよびボールミル(総設備出力約25メガワット)、選鉱工程向けの高効率濃縮機「HRTハイレートシックナー」5基(ReactorwellTM給鉱技術搭載)、濃縮精鉱の脱水用「Larox® FFP3512フィルター」6基、さらに全工程にわたるスラリーポンプ群(MDシリーズ排出ポンプを含む)など。
なお、多くの納入機器は同社の付加価値製品群「Metso Plus」に含まれている。受注金額は非公表だが、2025年第2四半期の鉱物セグメント受注に計上されている。
メッツォのミネラル部門社長、ピア・カルフ氏は「済南鋼鉄のこのプロジェクトは、鉱業分野の育成を掲げるオマーンの経済多角化政策にも合致している。当社はグローバルな選鉱プラント向け技術のリーディングサプライヤーとして、戦略的パートナーシップを構築できることを光栄に思う」と述べている。
■Metso(メッツォ )について
メッツォは、鉱物処理や金属精錬、骨材業界向けの持続可能な技術・ソリューションを提供するグローバル企業。水・エネルギー効率の向上や生産性向上、環境リスク低減を支援する。同社の本社はフィンランド・エスポーにあり、2024年末時点で約50カ国に約1万7,000人を擁し、同年の売上高は約49億ユーロだった。ナスダック・ヘルシンキに上場している。