三菱重工、英国サイズウェルC原発向けポンプ34台を受注

・ヒンクリーポイントCと同一設計、原子力発電の安全運転に貢献

 三菱重工業は6月17日、英国のトリリアム・フロー・テクノロジーズ社から、英国で建設予定の「サイズウェルC原子力発電所」1、2号機向けポンプ5機種34台を受注したと発表した。

■実績のある設計を活用
 今回受注したポンプは、現在英国で建設中の「ヒンクリーポイントC原子力発電所」向けに三菱重工が製作しているポンプと同一設計となる。サイズウェルC原発は、ヒンクリーポイントC原発と同じ出力計320万kW級の欧州加圧水型炉(EPR)として建設される予定で、設計の共通化により効率化が図られる。

■製作から試験まで段階的に実施
 受注したポンプは三菱重工で製作後、順次トリリアム社に納入される。その後、トリリアム社で運転試験を実施してからサイズウェルC原発に最終納入される計画だ。
 プロジェクトの体制として、サイズウェルC原発1、2号機はEDFエナジー社傘下のニュークリア・ニュービルド社が建設・運転を担当する。トリリアム社はプロジェクト管理、モーター調達、工場試験、現地据付指導を手掛け、三菱重工はポンプの設計・製作を担当する。

■世界の原子力発電に貢献
 三菱重工は今回の受注について、サイズウェルC原発の建設プロジェクトを支えるとともに、原子力市場への価値ある提案を通じて広範な国・地域の発展に貢献するとしている。同社は加圧水型原子力発電プラント(PWR)のリーディングカンパニーとして、国内外の原子力市場への機器納入を通じ、世界の原子力発電の安全・安定運転に貢献していく方針を示した。
 英国では脱炭素化に向けた原子力発電の重要性が高まっており、今回の受注は日本企業の技術力を海外で発揮する好例となっている。

 ニュースリリース