鉱研工業、ヒューリックによるTOBに賛同、応募推奨も表明

 ボーリング機器大手の鉱研工業(東証スタンダード)は6月16日、不動産大手ヒューリック(東証プライム)による自社株式の公開買付け(TOB)に対し、賛同の意向を示すとともに、株主に対して応募を推奨する方針を正式に発表した。

 鉱研の取締役会は同日開かれた会合で、ヒューリックによる1株764円でのTOB提案が「企業価値の向上および株主利益の観点から合理的」と判断。第三者機関による評価や社外取締役らによる特別委員会の答申などを踏まえ、慎重に検討したうえで結論に至った。

 鉱研は、建設分野での掘削機器や特殊工法に強みを持ち、国内外のインフラ整備事業を支えてきた。しかし、近年は人材の高齢化、採用難、原材料高といった構造的な課題に直面。加えて、中期経営計画「STEP UP鉱研 ACTIONS2025」で非連続的な成長を志向する中、単独では対応が難しい領域が増えていた。

 こうした背景のもと、鉱研は昨年より資本政策の検討を開始し、複数の提案を比較検討。最終的に、過去に取引実績もあり、資本・人材両面で支援体制が整うヒューリックによる完全子会社化が最適と判断した。

 非上場化にはデメリットも伴うが、鉱研は「上場維持に伴う管理負担の軽減や、グループ入りによる安定した成長環境の確保が期待できる」として、株主に対し本TOBへの応募を促している。

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