日本板硝子、省エネLow-Eガラスの国内生産能力を増強

 日本板硝子(NSG)は6月16日、省エネ効果の高いLow-Eガラスの需要増加に対応するため、主要製造拠点である千葉事業所(千葉県市原市)に最新鋭のスパッタリングコーティング設備を導入し、国内生産体制を強化すると発表した。新設備の稼働は2026年4~6月期、量産開始は同年7~9月期を予定している。

 Low-Eガラス(低放射ガラス)は、ガラス表面に透明金属膜をコーティングすることで、建物内外の熱の移動を抑える省エネ素材。日本の新築住宅におけるLow-E複層ガラスの普及率は年々上昇し、2023年には戸建住宅で85.0%、共同住宅で62.8%に達した(板硝子協会調べ、面積ベース)。

 背景には、カーボンニュートラル実現に向けた政府の省エネ基準強化や規制拡大があり、今後も住宅・非住宅分野やリフォーム市場での需要拡大が見込まれている。これまでNSGはグループ内外からLow-Eガラスを調達してきたが、安定供給と競争力強化のため本格的な国内生産投資に踏み切った。

 今回の増強は、NSGグループの中期経営計画「2030 Vision: Shift the Phase」で掲げる「ビジネスデベロップメント」および「脱炭素化」戦略に沿ったもの。NSGは今後も省エネ製品の供給を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する方針。

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