安川電機、米国フランクリン市に新キャンパス、本社機能移転を含め、1億8,000万ドル投資

 安川電機は6月16日、米州統括であるYaskawa America Inc.(イリノイ州ワキガン市)を通じて、ウィスコンシン州フランクリン市に今後8〜10年間で約1億8,000万ドル(約260億円)を投資し、現在、イリノイ州とウィスコンシン州にある本社・生産機能などを移転した新たなキャンパスを設立すると発表した。

■新キャンパス設立の目的
 米国では、自動車を中心として医療や食品などの自国の経済を支える製造・サービス業の強い産業基盤が依然として存在する。また、米国国内でのデータセンターをはじめとしたインフラ投資、ならびに半導体やロジスティクスなど、今後も見幅広い分野での需要の拡大が込まれており、AIやロボティクスをはじめとする先端分野においても、人材・資金・スピードの面で圧倒的な競争力を持ち、スタートアップや大学が企業と密接に連携しながら技術革新を加速させるエコシステムが形成されている。
 このような環境の中で、インフレや人件費の高騰等を背景に、自国生産の強化を基本とした製造業の回帰の動きもあり、生産現場における自動化・省力化に対する設備投資の需要が急速に高まっている。これらの旺盛な設備投資の需要に柔軟に対応するために、キャンパスの新設を通じて、需要地生産・販売の考え方をベースに米国における技術・営業・生産・サービスが一体となった事業力を持つプレイヤーとしてのプレゼンスをさらに高める。そして、顧客やパートナー企業との信頼関係を強化し、協創による価値創出を実行していくことが、米国における将来的な競争力の強化に直結するものと考えている。なお、安川電機が掲げているソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を実践した生産体制の構築によって、生産性と品質の向上も加速させる。ら
 今後は、「i3-Mechatronics」のソリューションコンセプトによる提案力をさらに高め、米国ならびに米州市場での事業力強化を通じて、顧客への信頼度と満足度の向上を図りながら、米国経済の成長と発展に貢献していく。

■Yaskawa Americaの事業と新キャンパスの概要
 Yaskawa Americaは1967年の設立以来、米州(米国ならびにカナダ、メキシコ、ブラジル)において、技術開発、製造、販売、サービスを行い、半導体、工作機械、自動車、HVAC、ポンプ、オイル&ガス、太陽電池などの様々な市場向けに、モーションコントロール、インバータ、太陽光パワーコンディショナ、産業用ロボットのシステムエンジニアリングなどを顧客に提供している。
 新設するキャンパスは、約7万4,000平方メートルを超える敷地に、本社、技術開発、トレーニング施設をはじめ、産業用ロボット(一般向けおよび半導体製造装置向けマニピュレータ)を製造する工場などが含まれる。

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