荏原製作所、韓国初の水素転換施設にポンプ供給

・三陟市プロジェクトで液体アンモニア供給システム受注

 荏原製作所のエネルギーカンパニー(Ebara Elliott Energy)は6月13日、韓国南部発電公社が進める三陟(サムチョク)市の水素化合物転換インフラ構築プロジェクトで、液体アンモニア供給用の無漏洩ポンプを受注したと発表した。

 同プロジェクトは韓国初のアンモニア転換発電所建設を目指すもので、燃料貯蔵用のフルコンテインメント(完全密閉型)アンモニアタンクも併設される。毒性と臭気を持つアンモニアの安全な取り扱いが課題となる中、荏原製作所が供給するポンプは無漏洩設計を採用し、貯蔵タンクから発電所への液体アンモニア供給を安全に行う。

 韓国は脱炭素化の一環として水素エネルギーの活用を推進しており、今回のプロジェクトはその重要な一歩となる。アンモニアは水素のキャリアとして注目されており、燃焼時に二酸化炭素を発生しないクリーンエネルギー源として期待されている。

 荏原製作所は今回の受注を通じて、脱炭素化の促進と環境に配慮したエネルギーの安定供給実現を目指すとしている。同社は長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG(環境・社会・ガバナンス)重要課題に取り組み、持続可能な開発目標(SDGs)達成を通じた企業価値向上を図っている。

 韓国の水素エネルギー分野への日本企業の参入は、両国のエネルギー協力関係強化の象徴的な事例として注目される。

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