・人手不足解決へ省力化実現、工事評価点加点対象に
古河機械金属グループの古河ロックドリル(東京都千代田区)は6月13日、同社が開発したIoT施工管理システム「F-MICAS」が国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されたと発表した。土木施工現場の深刻な人手不足解決に向けた省力化・効率化の実現性が評価された。
登録されたのは、ブラストホールドリルと油圧ブレーカの稼働状況をリアルタイムで監視する「F-MICAS」(FRD Machine Information Control & Analysis System)と、収集データを基にした有償サポートサービス「FD-CARE/FA-CARE」。登録番号はKT-250004-A、4月15日に正式登録された。
従来の土木施工現場では、作業実績の記録や機械のメンテナンス管理を人的作業に依存しており、多大な時間と労力を要していた。今回のシステムでは、機械の稼働データを自動収集し、施工管理書類や日報、月報を自動生成することで、これらの課題を解決する。
同システムの主な効果として、施工管理の効率化による経済性向上、作業効率の可視化による改善促進、実地データを活用したオペレーター教育の質向上、顧客ニーズに応じたレポートのカスタマイズなどが挙げられる。
土木業界では高齢化と人手不足が深刻化しており、作業の効率化と安全性向上が急務となっている。古河ロックドリルの油圧クローラドリルは国内市場で約7割のシェアを占めており、同社の技術力が業界の課題解決に貢献することが期待される。
NETIS登録により、同システムを活用する施工者は公共工事の工事成績評定や総合評価方式入札において技術評価点の加点対象となる。これにより、民間企業の新技術導入インセンティブが高まり、建設業界全体のDX推進が加速される見込みだ。
古河ロックドリルは「100年を超える穿孔技術開発の経験と最新のICT技術を組み合わせ、さらなる省力化・効率化に取り組む」(山口社長)としており、今後も顧客ニーズに応える新技術開発を継続していく方針を示している。
【用語解説】
• NETIS: 国土交通省が運用する新技術情報提供システム。民間開発の有用な新技術を共有し、公共工事での活用を促進
• ブラストホールドリル: 発破用火薬装填のため岩盤に下向きに穿孔する自走式機械
• 油圧ブレーカ: 油圧ショベルに取り付けて岩盤掘削や岩石破砕に使用される機械
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