ボルト専業メーカーの共和工業所(石川県小松市)は6月13日、2025年4月期(2024年5月~2025年4月)の連結決算を発表した。主力の建設機械業界向け販売が振るわず、売上高は前期比4.7%減の104億5,700万円、営業利益は同19.4%減の8億1,800万円、純利益は前期比50.9%減の7億800万円となった。
主力市場である建設機械部門は、中国経済の減速や需要調整の影響を受け、売上高は100億200万円(同4.5%減)に落ち込んだ。自動車関連や産業機械向けも低調で、自動車関連部門の売上高は1億400万円(同26.4%減)、産業機械部門は1億100万円(同0.6%減)にとどまった。
同社では販売・営業活動の強化やコスト管理の徹底を図ったものの、原材料やエネルギーコストの高止まりに加え、外部環境の逆風が業績を圧迫した。なお、期末配当金は1株あたり80円(前年同額)とし、安定配当の方針を維持した。
2026年4月期についても、同社は引き続き厳しい事業環境を見込んでおり、売上高は103億円(前期比1.5%減)、営業利益は7億9,000万円(同3.5%減)、純利益は6億1,000万円(同13.9%減)と、2期連続の減収減益を予想している。建設機械業界では、米国の追加関税や中国経済の不透明感が引き続きリスク要因となっており、需要回復には慎重な見方が示された。
配当については、期末配当金を1株当たり80円とし、年間配当金も80円を維持した。翌事業年度についても1株当たり80円の配当を予想している。
同社は「株主への利益還元を経営の重要課題の一つとして認識し、安定的な配当の継続を基本方針としている」としており、業績悪化にもかかわらず配当水準を維持する方針を示した。
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