リープヘル、ブルガリアに新工場建設、航空宇宙・輸送機器分野に注力

・欧州での組立能力を強化

 Liebherr(リープヘル):2025年6月12日

 トゥールーズ(フランス)2025年6月 – ドイツの重機・産業機械大手リープヘル・グループは、長期的な事業発展を確保するため、欧州での生産ネットワーク強化に向けた新たな一歩を踏み出すと発表した。同社は、ブルガリアのプロヴディフ地域における事業活動の再編成と拡張を通じて、航空宇宙および輸送市場向け製品の組立に注力する方針を明らかにした。

 同社の子会社であるLiebherr-Transportation Systems Marica EOOD(リープヘル・トランスポーテーション・システムズ・マリツァEOOD)は、すでに鉄道業界および低温物流向けの空調・熱管理システムの生産に従事している。今回の決定は、既存のリープヘル生産ネットワーク内でのコスト競争力に対する需要の増加と信頼の高まりによるものだという。

■2026年に新工場が本格稼働予定
 リープヘルは、現在の工場の近隣に新たな大規模生産拠点を設立し、既存の拠点から段階的に移転を進める計画を発表した。新工場は2026年に完全稼働する予定で、2万平方メートルの敷地面積を持つ。
 新工場では、鉄道および商用車市場向けの既存事業をさらに発展させ、特に列車用暖房・換気・空調(HVAC)システムと冷蔵セミトレーラー用冷却システムに重点を置く。さらに、航空宇宙用途向けの新たな組立能力も導入される。今後数年間で、飛行制御システムおよびエア管理システムの組立生産が本格化する見通しだ。

■雇用創出と戦略的位置づけ
 この追加的な組立能力は、増加する市場需要への対応と産業運営の継続的な長期パフォーマンスの確保に不可欠となる。また、これは耐性向上のためのリープヘルの二重調達戦略の一環でもあり、同社を将来の輸送手段向けシステムの主要サプライヤーとして位置づける狙いがある。
 プロヴディフ地域の新拠点での組立活動の再編成により、新たな雇用機会が創出される一方、リープヘルは既存拠点の労働力を他の製品分野や活動での成長から恩恵を受けることで、影響を受けないよう維持することを目指している。
 同社は、この戦略的投資により欧州での競争力を一層強化し、成長する航空宇宙・輸送機器市場での地位を固める構え。

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