・年間80万トンの製造・出荷設備を新設、東南アジア市場開拓を強化
太平洋セメント(東京都文京区)は6月10日、大分県佐伯市の佐伯アッシュセンター(大分県佐伯市大字戸穴337-1)内に分級フライアッシュを使用した混合セメントの製造・出荷設備を新設すると発表した。カーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、CO2排出量の少ない混合セメントの輸出拡大を目指す。
新設備は年間80万トンの混合セメントを製造・出荷可能で、現在の中期経営計画期間中での稼働開始を予定している。これにより同社の混合セメント輸出体制は年間130万トンを超える規模となる見込みだ。
■東南アジア市場の需要拡大に対応
同社はこれまでもカーボンニュートラル戦略として、クリンカーの構成割合が低い混合セメントの製造・販売を拡大してきた。諸外国、特に東南アジア諸国での混合セメント需要の高まりを受け、佐伯アッシュセンターには既に国内石炭火力発電所で発生する石炭灰(フライアッシュ)の品質調整のための分級設備を設置している。
今回の新設備により、主に東南アジア市場における混合セメント需要を取り込み、販売拡大を図る方針だ。混合セメントは従来のセメントと比較してCO2排出量が少なく、持続可能な建設材料として注目されている。
■持続可能な社会実現への貢献
太平洋セメントは今回の拠点化整備について、「セメントの安定供給とともに、廃棄物処理施設としての役割、さらにはカーボンニュートラル実現に向けた技術開発により、持続可能な社会実現に貢献してまいります」とコメントしている。
石炭灰の有効活用と混合セメントの製造により、廃棄物の削減とCO2排出量の抑制を同時に実現する取り組みとして期待される。
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