住友重機械プロセス機器(東京都品川区)は6月12日、洋上風力発電における基礎構造物製造に向けて準備を進めていた大型ベンディングローラーを愛媛県西条市にある工場に導入したと発表した。
ベンディングローラーは、鋼板を円筒状に曲げるために使用する装置。住友重機械グループが取り組む洋上風力発電基礎構造物(着床式のトランジションピースやジャケット、浮体式構造物)製造には極厚鋼板の曲げ工程が欠かせない。
住友重機械プロセス機器はこれまで大型圧力容器の製造を手掛けてきたことから、高い製缶技術を誇っている。同装置の導入によって製造能力を増強し、住友重機械プロセス機器の技術を洋上風力発電の基礎構造物製造に活用していく。
また、同装置によるトランジションピースを想定した板厚100mm、直径8mの試作においては、品質および工程にかかる時間が想定どおりの水準であったことも確認できた。
住友重機械グループは、成長戦略の一環として、脱炭素エネルギー・資源循環・サービス領域に関わる新規事業に積極的に投資している。今回の取り組みは、2024年3月5日に公表した「洋上風力事業推進プロジェクトの設立」における取り組みの一部。引き続き洋上風力発電の基礎構造物の事業化に向けた準備を進め、再生可能エネルギー導入促進を通じた脱炭素社会の実現に貢献していく。