農業機械大手の井関農機は6月12日、2025年度下期の新商品として、乗用モーア「SXG327」1型式と田植機「RPQ45」「RPQ55」2型式の計2品目3型式を発表した。特に、欧州市場で高い評価を得ている乗用モーア「SXG327」を国内に展開し、需要が拡大する景観整備市場での販売強化を目指す。
○高性能乗用モーア「SXG327」の特長
◾️高出力エンジンと効率的な走行性能
「SXG327」は、大排気量1,123cc、21.9PSのエンジンを搭載し、軽作業から高負荷作業まで安定した能力を発揮する。傾斜地や背の高い雑草の刈り取りにおいてもスムーズな作業を可能にする。また、応答性の高いHSTトランスミッションと、前後進切り替えを迅速に行える2ペダル方式を採用し、優れた走行性能を実現した。
◾️大容量集草機と広幅刈り取りデッキ
集草容量650Lの大容量ハイダンプコレクタ(集草機)を装備。最大約2mまで持ち上げられるハイダンプ機能により、刈り取った草をトラックなどへ容易に排出できる。刈り幅は54インチ(1,372mm)と広く、センター排出方式と広口のシューターにより、背の高い草や濡れた草でも詰まりにくい構造となっている。
◾️快適な操作性と居住空間
コレクタのリフト・ダンプ操作はジョイスティックレバーに集約され、誤操作を防ぐ。ハンドルの高さ(角度)を調整できるチルトステアリングや、作業中の速度を一定に保つオートクルーズ機構を標準装備し、長時間の作業でもオペレーターの負担を軽減する。さらに、スマートフォンの充電に便利なUSBソケットとカップホルダーも搭載されている。
◾️安全性とメンテナンス性も向上
作業者が離席するとエンジンが停止するシートスイッチ機能や、乗り降り時に便利なハンドグリップを機体側方に装備するなど、安全性にも配慮。モーアデッキ内部は洗浄用コネクタにホースを繋ぐだけで簡単に洗浄できるため、メンテナンス性も向上している。乗用モーア「SXG327」は2025年10月に発売予定で、希望小売価格はオープン価格。なお、本機は公道走行不可となっている。井関農機は、この新商品の投入により、国内の景観整備市場でのシェア拡大を図る方針だ。
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