ラトビア・ベンツピルス港、電動クレーンで脱炭素化を推進

 Konecranes(コネクレーンズ ):2025年6月11日

・コネクレーンズの最新ハイブリッドクレーンが運用開始、バルト海の物流拠点で排出削減を実現

 ラトビア西部に位置するベンツピルス港で、環境負荷を大幅に削減する次世代クレーンが稼働を開始した。ステナ・ライン・ポーツ・ベンツピルスが導入したコネクレーンズ・ゴットヴァルドESP.7電動モバイルハーバークレーンは、北欧と中央ヨーロッパを結ぶ重要な物流拠点の近代化を象徴する設備として注目を集めている。

■最新技術で排出ガスを大幅削減

 このクレーンの最大の特徴は、港湾の電力インフラから直接電力供給を受けて稼働できることだ。さらに、電力供給が困難な状況でも対応できるよう、ディーゼル発電機とウルトラキャパシターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載している。

 この革新的な駆動システムにより、従来のディーゼル駆動クレーンと比較して排出ガスと運用コストを大幅に削減することが可能となった。最大125トンの吊り上げ能力を誇るこのクレーンは、コンテナから一般貨物、プロジェクト貨物、バルク貨物まで幅広い荷役作業に対応する。

■持続可能な港湾運営への転換点

 ステナ・ライン・ポーツ・ベンツピルスのマルティンシュ・ジエマニス社長は、「コネクレーンズのハイブリッド駆動システムの性能と効率性に確信を持った。新しいクレーンは、多様な船舶への対応という柔軟性を提供しながら、持続可能な港湾運営という我々の目標と合致している」と導入の意義を語った。

 このクレーンは、1988年に導入され、前の港湾運営者から引き継いだゴットヴァルドクレーンの後継機として位置づけられている。約37年ぶりの大型設備更新は、同港の技術革新への取り組みを象徴している。

■グローバル展開への橋渡し

 コネクレーンズ・ポート・ソリューションズのハンス・ユルゲン・シュナイダー地域営業マネージャーは、「ステナ・ライン・ポーツ・ベンツピルスの運営をより柔軟で環境効率的にするための支援に全力で取り組んでいる。今回の納入は、我々のハイブリッド駆動技術と電動化技術が世界中の港湾の近代化ニーズにいかに応えられるかを実証している」と述べた。

 この契約は、コネクレーンズが推進する「エコリフティング」ビジョンの一環として実現した。同社は製品・サービスポートフォリオを通じて環境への好影響を拡大し、顧客の二酸化炭素排出量削減を支援することを目指している。ディーゼル駆動の最適化からハイブリッド化、完全電動化まで、「より少ないリソースでより多くを実現する」という理念の下、技術革新を続けている。

■コネクレーンズについて

 2024年の売上高42億ユーロを誇るコネクレーンズは、約50カ国で16,700人の専門家を擁し、マテリアルハンドリング業界のグローバルリーダーとして、安全性、生産性、持続可能性の向上に取り組んでいる。今回のベンツピルス港での導入事例は、バルト海地域での脱炭素化の流れを加速し、他の港湾施設にとっても重要な参考事例となることが期待される。

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