コベルコ建機と安藤ハザマ、自動運転ショベルを実工事で長期安定運用

・霞ヶ浦導水石岡トンネル工事で2カ月間の無人作業を達成

 コベルコ建機安藤ハザマは6月12日、共同で開発を進めてきた自動運転ショベルを、施工中の工事現場で約2カ月間にわたり安定運用したと発表した。国土交通省が発注した「霞ヶ浦導水石岡トンネル(第3工区)」の現場で実施された今回の実証により、長期間にわたる無人作業の安全性と運用性が確認された。

 両社は2019年から油圧ショベルの自動運転に関する共同研究を進めてきた。自動運転機能に加え、AIによる周囲環境の認識や障害物の検知、遠隔操作システム「K-DIVE®」との連携など、段階的な技術開発と実証実験を経て、現場実装へと漕ぎ着けた。

 今回の現場実証では、掘削土砂を有人ダンプに積み込む作業を自動で実行。現場の状況変化には、タブレットを使って現場要員が柔軟に対応した。また、新たに開発された物体検知機能を用い、ダンプの停車位置の変化にも対応可能とした。

 安全面では、国交省の「自動施工における安全ルールVer.1.0」に基づき、無人エリアや立入禁止区域を設定。エリア監視にはレーザーバリアセンサや経路逸脱検知機能を活用し、事故なく作業を完了したという。

 両社は今後、自動運転ショベルの本格展開を視野に、適用工種の拡大と現場への導入促進を図る方針。開発技術は、6月18日から幕張メッセで開催される「第7回国際建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」のコベルコ建機ブースで紹介される予定だ。

 ニュースリリース