日立建機の電動ショベル、オランダの環境配慮型公共事業で活躍

・アールスト市街地再開発で低排出ガス要求に対応

 Hitachi Construction Machinery (Europe) NV. (日立建機ヨーロッパ):2025年6月10日

 オランダ・アイントホーフェン近郊のアールスト市の中心部再開発事業で、日立建機の電動ショベルが重要な役割を果たしている。日立建機ヨーロッパが10日発表した。

 同事業を受注した地元建設会社J. van Uijthoven & Zn BVは、2024年秋から8.5トンクラスの電動ショベル「ZE85」を使用し、基礎工事や下水道工事、公共インフラ配管の敷設作業を行っている。

 同社のユルゲン・ファン・ウイトホーフェン社長は「政府資金による事業の入札では、電動ショベルの活用方法を示す必要があった」と説明する。2年間にわたる長期プロジェクトのため、30年来の取引先である日立建機販売代理店ペレンBVとHCMネーデルラント社を通じてレンタル契約を結んだ。

 「ペレンのチームは親身で、30年間協力してきた。だからこそ電動機械についても他を検討せず、彼らに相談した」とファン・ウイトホーフェン氏は語る。レンタル手続きは「簡単で迅速な対応だった」という。

■作業性はディーゼル機と同等
 25年間日立建機のショベルを使用してきたオペレーターのウィル・ファン・ヘルフェン氏は「性能はディーゼル機と同等で、操作方法も同じ。ただし静音性が高く、充電を考慮する必要がある。異なる作業方法だ」と評価する。
同社長は8.5トンモデルを選択した理由について「コンパクトサイズで重量が比較的軽く、狭い場所での作業が可能」と説明。ケーブル給電も可能だが、現場では昼食時間や夜間の充電が実用的だという。

 ファン・ウイトホーフェン氏は2024年11月、ブラーデル市での6か月間の下水道交換事業に向けて、より大型の電動ショベル「ZE135」もレンタルした。


■電動機械の市場価値は未知数
 同社の日立建機車両は主に購入しているが、電動機械についてはレンタルを選択している。「購入を好むが、機械の再販価値が重要だ。電動機械の価値はまだ未知数で、中古の電動モデルが市場にない」とファン・ウイトホーフェン氏は理由を説明する。

 「これらの電動機械により政府プロジェクトに参加できるが、2年間のプロジェクトで再販価値が不確実な場合、購入は合理的でない」と述べた。

 日立建機のプレミアムレンタルプログラムでは、1トンから50トンまでの幅広いショベルを短期・長期レンタルで提供。電動モデルも5トンから15トンクラスまで用意している。これは特に市街地や水路などの環境配慮地域での作業を目的とした、ゼロエミッション機械を求める請負業者からの需要増加を反映している。

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