Volvo Construction Equipment(ボルボCE):2025年6月10日
ボルボCEは、総額25億SEK(スウェーデンクローナ、約375億円)を投じ、世界3カ所の主要生産拠点でクローラー式油圧ショベルの生産体制を強化すると発表した。急増する顧客ニーズに対応し、地域生産の拡充を通じてサプライチェーンのリスクを軽減し、長距離物流への依存を減らすのが狙い。
この戦略的投資により、ボルボCEは世界各地での市場競争力を強化するとともに、持続可能なソリューションへの準備を進める。投資対象は韓国・スウェーデン・北米の3拠点で、総額25億SEK にのぼる。このうち、最大の投資が韓国・昌原(チャンウォン)工場に割り当てられる。
■クローラー式油圧ショベルの世界的展開を加速
市場環境が急速に変化する中、この戦略的拡充により生産能力と柔軟性が大幅に向上し、現行および将来的な顧客ニーズに的確に対応できる体制が整う。主要市場近くでの生産体制強化により、納期短縮や地域ニーズに応じたソリューションの提供が可能になる。また、ローカル生産によりサプライチェーンのリスクを低減し、経済・規制面の課題にも対応しやすくなる。さらに輸送距離の短縮によるCO₂排出量削減効果も期待される。
ボルボCEの責任者であるメルカー・イェンベルグ氏は次のように述べた。
「私たちは増大する需要への対応の必要性を理解しており、お客様により良いサービスを提供するために施設を拡張できることを大変嬉しく思っています。この投資は、品質、イノベーション、そしてコンピテンシーへのコミットメントを改めて示すものであり、より大きな価値を提供することを可能にします。今回の拡張は、主要市場や顧客に近い場所でクローラー式油圧ショベル事業に投資することで、お客様の需要に応えようとする私たちの取り組みを示すものです。」
■韓国・スウェーデン・北米の拠点で設備拡充へ
計画では、韓国・昌原工場の設備をアップグレードし、アジア市場向けの生産能力を確保する。ヨーロッパ向けのクローラー式油圧ショベル生産拠点としてはスウェーデンが選定されており、具体的な場所や規模、時期は2025年内に確定する予定。さらに、北米市場向けの生産強化策として、米国ペンシルベニア州シッペンスバーグ工場内に組立ラインを新設する。これらの施策を通じて、ボルボCEは地域別の市場対応力と運営効率を向上させる方針。
■昌原工場は引き続き重要拠点に
昌原工場は、製造、製品開発、調達の分野で高度な技術を有するボルボCEのグローバルネットワークにおける重要拠点。今回の投資により、世界市場向けの生産能力を確保しつつ、サプライチェーンを強化し、コスト削減と市場変化への迅速な対応を図る。
3拠点への総投資額は25億SEKであり、最大の資金が昌原工場に割り当てられる。今後数年間で段階的に投資が行われる予定。
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