三一重装、国家級のスマート工場試験事業に選定、デジタル化で石炭機械産業のモデルに

 三一(SANY):2025年6月6日

 中国の建機大手・三一集団は6月6日、傘下の三一重装が、国家標準化管理委員会と工業・情報化部(工信部)が共同選定する「第2陣スマート製造標準適用試験プロジェクト」に採択されたと発表した。試験の方向性は「スマート工場建設・適用型」で、国家レベルの認定は今回で複数回目となる。

 選定されたプロジェクトでは、掘進機のスマート組立ラインや電動ダンプトラックの生産・組立ライン、ロボット溶接ライン、自動塗装ラインなどの構築・改修を通じ、製造工程ごとに自動化設備と補助装置を連携。生産効率の向上と人件費削減を図る。また、IoT(モノのインターネット)やビッグデータ、M2M(機器間通信)技術を全面的に導入し、企業全体の業務を統合的に制御する国内最先端レベルの協調管理センターの構築をめざす。

 こうした取り組みにより、柔軟性の高い生産体制が確立され、三一重装は大量かつカスタマイズされた製品の生産・販売体制を実現した。特に、エンドツーエンドの生産プロセスに基づき、ビッグデータやロボット技術、工業インターネットを統合活用した成果は、今後のスマート工場の横展開や進化のテンプレートとして高い模範性を持つという。

 三一は「ひっくり返らなければ生き残れない(※原文:中国語の“翻身就翻船”)」との覚悟でデジタル化・スマート化への転換を加速してきた。先進的な取り組みを実践可能なモデルへと昇華させ、製造業全体の高度化に向けた牽引役を果たす姿勢が鮮明になっている。

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