村田機械(京都市伏見区)は6月9日発表した2025年3月期の連結決算で、売上高が前期比6%増の5,260億円となり、1935年の創業以来初めて5,000億円の大台を突破した。営業利益は18%増の931億円となり、いずれも過去最高を更新した。半導体関連の工場向け搬送装置を中心に需要が好調で、歴史的な円安も業績を押し上げた。
部門別では、工場の自動搬送装置などを手がけるクリーンFAが19%増の2,362億円となり、売上全体の約45%を占めた。物流倉庫向けや製造現場の自動化需要が伸びた。ロジスティクス&オートメーション(L&A)も14%増の1,220億円と堅調だった。一方で繊維機械は999億円と15%減、工作機械も12%減の370億円だった。
地域別では、日本は前期比7%減の1,333億円と落ち込んだ一方、アジアは同17%増の2,687億円となり、全体の約51%を占めた。アメリカ向けは7%増の713億円、欧州向けは6%減の323億円だった。
2026年3月期は、半導体需要増や労働力不足を背景に自動化投資は堅調と予想。ただし、コスト増や円高の影響を織り込み、増収減益の計画。売上高で4%増の5,459億円を見込むが、営業利益は15%減の789億円を計画する。為替前提を1ドル135円、1ユーロ150円と円高方向に見直すことで、収益はやや圧迫される見通し。設備投資は2倍の325億円を計画し、工場や開発拠点の拡張を進める。なお、計画には米国関税政策の影響は織り込んでいない。
あわせて、2028年3月期を最終年度とする新中期経営計画も公表。売上高は2025年3月期比26%増の6,630億円を目指す一方、営業利益は同11%減の830億円と控えめな見通しを示した。資材価格の上昇などを織り込んだ現実的な水準とする。
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