ロボットメーカーの株式会社FUJIは6月9日、同社の元代表取締役会長・社長である大津谷輝男(おおつや・てるお)氏が5月16日に肺炎のため逝去したと発表した。享年96。葬儀は近親者のみで執り行われ、お別れの会などの開催予定はないという。
大津谷氏は1930年2月15日、兵庫県神戸市生まれ。1964年に三和銀行(当時)から創業間もない富士機械製造(現・FUJI)に入社し、管理室室長として同社の経営基盤の整備に尽力した。1970年代には組立機の開発を牽引し、1978年には電子部品挿入ロボット「BA」を世に送り出す。同製品は世界で約850台が販売され、大ヒットとなった。
その後も電子部品実装ロボット「CPシリーズ」などの開発を推進し、同事業を同社の成長の柱に育て上げた。1989年には愛知県岡崎市に電子部品実装ロボットの組立・出荷拠点となる新工場を新設。1997年度には売上高1,000億円を達成し、企業としての飛躍を支えた。
1999年には産業界の発展と国際協調への貢献が認められ、藍綬褒章を受章している。
コメントを投稿するにはログインしてください。