ABB :2025年6月3日
ビルバオ(スペイン)発、産業用電気機器大手のABBは3日、鉱業向け大型粉砕機を駆動する「ギアレスミルドライブ(GMD)リングモーター」について、環境製品宣言(EPD)を業界で初めて公開したと発表した。EPDは、製品のライフサイクル全体にわたる環境影響を詳細に開示する国際的な標準文書で、今回の取得によりABBはサステナビリティと透明性への長期的な取り組みを強調した形だ。
ABBは、スペイン・ビルバオの自社工場で生産されるGMDリングモーターについて、原材料の調達から生産、使用、廃棄に至るまでの全過程を網羅したライフサイクルアセスメント(LCA)を実施。その結果を基に、国際規格ISO14025およびISO14040/14044に準拠したEPDを取得し、今後5年間有効となる。
同モーターは、ギアを介さず磁場によってトルクを伝達するドライブシステムで、鉱業や鉱物処理分野での粉砕工程の効率化やエネルギーコスト削減に大きく貢献している。特にチリやペルー、中央アジアなど世界各地の主要鉱山で導入されている。
ABBのサステナビリティ・スペシャリスト、アンドレア・キンタ氏は「当社の使命の中核にサステナビリティがある。今回のEPD取得は、環境への責任と業界リーダーシップを示すものだ」とコメントした。
ABBは「Real Progress」イニシアチブのもと、GMDソリューションによる環境負荷低減と性能向上を両立させることを目指しており、今回のEPD公開はその具体的な成果の一つと位置付けている。
EPDの全文はEPD Internationalで公開されている。
<企業概要> ABBは、電化・自動化分野のグローバルリーダー企業。約11万人の従業員を擁し、140年以上の歴史を持つ。スイス証券取引所およびナスダック・ストックホルムに上場している。
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