世界の建設機械トップ50「Yellow Table 2025」、堅調維持・市場縮小傾向も中国勢が存在感を拡大

 英国KHLグループの業界誌「International Construction(インターナショナル・コンストラクション)」は、2024年・年度の建設機械メーカー世界売上高ランキング「Yellow Table 2025年版」を発表した。上位50社の売上高合計は2,376億ドルに達し、前年比2.4%の微減となったものの、過去最高水準に近い堅調な結果となった。

 首位は米キャタピラーで、売上高は378億ドル(全体の15.9%)と圧倒的な規模を維持。2位に日本のコマツ(266億ドル/11.2%)、3位には米ジョンディア(130億ドル/5.5%)が入り、米中日欧の大手企業が市場を牽引している。上位10社だけで市場全体の約61%を占めており、業界の寡占傾向が一段と強まっているとされている。

■トップ10の顔ぶれは以下の通り。

1位/キャタピラー(米国)/37,844百万ドル/15.9%

2位/コマツ(日本)/26,624百万ドル/11.2%

3位/ジョンディア(米国)/12,956百万ドル/5.5%

4位/XCMG(中国)/12,769百万ドル/5.4%

5位/リープヘル(ドイツ)/12,420百万ドル/5.2%

6位/SANY (中国)/10,834百万ドル/4.6%

7位/日立建機(日本)/9,104百万ドル/3.8%

8位/ボルボCE(スウェーデン)/8,353百万ドル/3.5%

9位/JCB(英国)/7,411百万ドル/3.1%

10位/サンドビック(スウェーデン)/6,974百万ドル/2.9%

 日立建機は前年から順位を上げて7位に浮上。鉱山機械に強みを持つスウェーデンのサンドビックは初のトップ10入りを果たした。

 一方、地域別売上構成比ではアジア企業が44.3%とシェアを拡大。前年の42.8%から1.5ポイント上昇した。これに対し欧州は27.9%(前年比▲1.1pt)、北米は27.5%(▲2.4pt)とそれぞれシェアを落とし、新興国市場の成長と先進国市場の停滞という構図が鮮明になった。

 調査会社オフハイウェイ・リサーチによると、世界の建設機械販売は2024年に前年比2%減少。地域別では欧州が▲17%と最も大きな落ち込みを見せ、日本と北米も減少傾向が続いた。一方、インド(+10%)と中国(+9%)は堅調な成長を見せた。

 2025年についても2%程度の市場縮小が見込まれているが、「インターナショナル・コンストラクション」は「インフラ投資需要は構造的に底堅く、主要OEMの事業規模は依然として高水準」として、長期的な成長余地に楽観的な見方を示している。

 またランキング下位では、中国企業が順位を上げるなど、新興勢力の台頭も続いている。今後は、アジア新興企業と欧米老舗企業との競争が一段と激しさを増すとみられるとしている。

■11位以下は次のとおり。
11位.斗山ボブキャット(韓国)
12位.エピロック(スウェーデン)
13位. 中联重科(中国)
14位.メッツォ(フィンランド)
15位.オシュコシュアクセス機器(JLG、米国)
16位.テレックス(米国)
17位.クボタ(日本)
18位.柳工(中国)
19位.CNHインダストリアル(イタリア)
20位.コベルコ建機(日本)
21位.HD現代インフラコア(韓国)
22位.マニトウグループ(仏)
23位.住友重機械工業(日本)
24位.パルフィンガー(オーストリア)
25位.HD現代建機(韓国)

■ 存在感増す中国メーカー
 トップ10入りした中国メーカーは徐工(XCMG)と三一(SANY)の2社だが、その他にも11社がランキング入りを果たしている。具体的には、中联重科(13位)、柳工(18位)、山推(29位)、、臨工重機(31位)、龙工(34位)、鐵建重工(37位)、浙江鼎力(38位)、同力重工(39位)、山河智能(41位)、雷沃重工(45位)和星邦智能(49位)となっている。前回ランキングと比較すると、中国メーカー13社のうち7社が順位上昇、2社が下降、4社が横ばいとなった。特に同力重工と雷沃重工は4位ずつ順位を上げる好成績を収めたとされている。

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