三一国際、2025年第1四半期決算を発表、業績が市場予想を上回る

 三一(SANY):2025年5月31日

 三一国際(SANY International)は、5月29日夜に2025年第1四半期(1-3月期)の業績を発表した。全体として経営陣の予想通りの好調な結果となり、市場の期待を上回る内容となった。

 第1四半期の主力事業収入(売上高)は58億8,000万元(約1,200億円)で、前年同期比14.6%増加。親会社株主に帰属する純利益も6億3,500万元(約130億円)と、前年同期比で23.2%の大幅増となった。

■国内外で鉱山機械需要が回復
 2024年は国内の鉱山設備市場が厳しい状況にあったが、2025年第1四半期には国内の坑内炭鉱設備需要に底打ちの兆しが見られた。露天鉱山向けダンプトラックの需要も明らかに改善。掘進機やワイドボディトラックは、売上・粗利益率ともに大きく伸長した。
 海外市場でも、鉱山設備の更新需要が高まっており、同社の100~150トン級の高い国産化率を誇る電動ダンプトラックが市場で認知され始めている。海外向け大型鉱山トラックの売上は、前年同期比で4倍の成長を記録した。

■物流・新エネルギー分野も成長
 物流装備分野では、長年にわたる国際競争力とブランド力を背景に、大型港湾クレーンの納入台数が2桁成長を達成。海外での電動化浸透や製造技術の向上により、小型港湾機械の粗利益率も大幅に向上した。さらに、海外市場向けの新製品が物流装備部門の新たな成長エンジンとなっている。

 新エネルギー分野では、マイクログリッドやリチウム電池蓄電システムが業績に貢献。三一リチウムエナジーの第1四半期売上高・純利益は、いずれも前年同期比で2倍以上の成長を遂げた。海外でのマイクログリッド導入も加速しており、今後の成長が期待される。

■株価も大幅上昇
 決算発表翌日の株式市場では、三一国際の株価が6.33香港ドルで取引を終え、前日比8.21%の大幅上昇となった。

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