慶應義塾大学病院(東京都新宿区)と川崎重工業は6月4日、川崎重工が開発した屋内配送用サービスロボット「FORRO(フォーロ)」を用いた病院内での自動配送サービスの運用を2025年4月1日より開始したと発表した。医療従事者の負担軽減と業務効率化が大幅に進むものと期待される。
慶應義塾大学病院は、日頃より医療従事者の負担軽減および業務効率化に取り組んでおり、その一環として2025年2月より、医薬品や検体などの院内配送業務に2台の「FORRO」を導入し、サービス検証を進めてきた。この取り組みは、東京都の「西新宿先端サービス実装・産官学コンソーシアム」の支援を受けて実施された。
約2か月にわたる検証の結果、「FORRO」は、2棟にまたがる広域な院内エリアを、異なるメーカーのエレベーターやセキュリティドアと連動しながら、自律走行で医薬品や検体などを配送できることを確認。これにより、医療従事者の負担軽減および業務効率化における有用性が評価され、病院内での本格運用開始に至った。
現在、「FORRO」は24時間体制で2台が稼働。医薬品、検体、採血管などの配送を担当している。主な配送ルートは病棟から検査室間、薬剤部から病棟間などで、病棟内では最大約200メートル程度の移動に加え、エレベーターによる階移動も行う。エレベーターは医療従事者とロボットの相乗りで運用されている。
川崎重工が「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」をコンセプトに開発した「FORRO」は、深刻化する労働力不足に対する解決策の一つとして創出されたサービスロボットである。医療従事者のパートナーであるとともに、患者からも親しみを持って迎えられる外観も特徴とする。
慶應義塾大学病院と川崎重工は今後も、病院内でのサービスロボットのさらなる活用方法を共同で検討し、医療従事者の負担軽減および業務効率化を推進していく方針。
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