・ウィスコンシン州に6万平方フィートの新施設、電力インフラ需要増に対応
サウスダコタ州ウォータータウン発、電力設備メーカーのTerex Utilities (テレックス・ユーティリティーズ)は6月2日、設備の製造・設置能力を大幅に拡大する投資計画を発表した。増大する需要に対応するため、ウィスコンシン州ウォーキシャに6万平方フィート(約5,500平方メートル)の新たな設置工場を建設する。
同社のエリック・クルーバー副社長兼ゼネラルマネージャーは、バージニア州ウィリアムズバーグで開催された「2025年電力事業車両管理者会議」で発表を行い、「当社は顧客の短期・長期ニーズの両方に応えることをお約束する。安全性、世界最高水準の品質、競争力のあるリードタイム、そして革新という戦略的優先事項に焦点を当て続けている」と述べた。
新設されるウォーキシャ工場は、同社の製造拠点ネットワークを拡充する。同社は昨年、アラバマ州バーミンガムに設置機能を追加し、本拠地であるサウスダコタ州ウォータータウンとヒューロンの製造施設への投資も継続している。クルーバー氏は「新たな設置拠点の追加と並行して、サウスダコタ州にある中核工場の潜在能力を最大化し続けている」と付け加えた。
■最新技術搭載車両を披露
会議では、同社の最新技術を搭載した電力設備車両も披露された。オプティマTC55バケット車には、AI技術を活用した360度カメラシステムと自動後進ブレーキ技術を備えた最先端デジタルプラットフォーム「3rd Eye®」が装備されている。
エンジニアリング部門のダン・ブレンデン取締役は「このシステムにより、運転手は比類のない状況認識能力を得て、優れた操縦性と安全性を実現できる」と説明。「また、潜在的な危険を検知し、視覚・音響警告を発し、運転手の介入なしに自動的にブレーキをかける後進自動ブレーキ技術も搭載している」と述べた。
3rd Eyeシステムはクラウドとワイヤレス接続され、重要な運転データと映像を継続的に記録・保存する。これにより車両管理者は運転手の運転状況、車両の活動状況、設備の状態をリアルタイムで監視できる。「これらの包括的な情報は安全性の向上と責任軽減に寄与するだけでなく、詳細な記録を作成し、安全運転行動を強化するための指導機会を特定する」とブレンデン氏は強調した。
■電動車両への取り組み強化
環境対応では、最新の全電動バケット車も展示された。マックトラックのMD7電動シャーシに、ヴィアテック社製の業界最先端「HyPower™ワークフォースPTO」を搭載し、より長距離走行と大容量積載を可能にした排出ガスゼロの電力設備車両を実現した。「マックトラックとの協力により、排出ガスゼロ電力設備車両の開発が一層前進している」とブレンデン氏は語った。
さらに、フレックスプロ制御オプションを備えたコマンダーC4047掘削機も展示された。フレックスプロは速度と多機能動作を最適化する制御・無線オプションを提供し、リアルタイムシステム情報、油圧圧力測定値、スクリューアンカートルク、スロットルRPM設定、診断情報を表示する次世代カスタマイズ可能制御システムだ。
また、スクリューアンカーアダプターの必要性を排除し、手作業を減らして生産性を向上させる「ホローケリーバー」も披露された。「従来のロッキングドッグと角棒の代わりにテレックス・ユーティリティーズのホローケリーバーを使用することで、掘削機オペレーターはスクリューアンカー設置プロセスを数分短縮できる」とブレンデン氏は説明した。
同社の設備投資拡大は、電力インフラの近代化と再生可能エネルギー普及に伴う設備需要の急増に対応するものと見られ、業界内でも注目を集めている。
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