ヤンマー、西アフリカ16か国で農機事業拡大へ

・コートジボワール代理店と協業、稲作普及に貢献

 ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリ(岡山市)が、西アフリカにおける農業機械販売事業の大幅拡大に乗り出す。コートジボワールの販売代理店ATC Comafrique社(アーテーセーコマフリック)との協業により、2035年度までに西アフリカ16か国での事業展開を目指す。

 両社は5月23日、ヤンマー製品の販売とサービス業務をATC社に委託する協業に合意。今年度から段階的に各国への販路を拡大し、コートジボワールやガーナなどの西アフリカ諸国で農機販売を本格化する。

 西アフリカ地域は従来、カカオやパーム油の栽培が中心だったが、近年の人口増加による food security(食料安全保障)の観点から稲作への注目が高まっている。ヤンマーアグリは同社が持つ稲作向け農業機械の技術力と、ATC社の現地販売網・サービス体制を組み合わせることで、西アフリカの農業発展に貢献する狙いだ。

 ATC Comafrique社は1966年創業の老舗販売代理店で、コートジボワール最大級のBillon Family財閥のグループ会社。西アフリカ3か国に計6つの展示拠点と14のサービス拠点を展開し、自動車や農業機械販売を通じて同国の経済発展を支えてきた。
同社は2021年からヤンマー製耕うん機の販売を開始し、現在はトラクター、コンバイン、部品・サービス供給まで取り扱いを拡大している。

 アフリカ市場への本格進出により、ヤンマーは日本の農機メーカーとして新たな成長機会を獲得すると同時に、国際的な食料問題の解決にも寄与することが期待される。

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