・スペシャリティクロップ向けスマートソリューション事業化へ
クボタは6月3日、米国のアグリテックスタートアップAgtonomy(アグトノミー)との協業を加速すると発表した。両社は2024年から進めてきたスペシャリティクロップ栽培向けスマートソリューションの共同実証を受け、販売や顧客サポートなど事業化に向けた具体的な検討を開始する。
深刻化する農業人材不足を背景に、クボタは効率的な農業経営を可能とする自動化システムとデータプラットフォームの確立に取り組んでいる。今回の協業では、Agtonomyの自動化技術とデータプラットフォームをクボタのスプレイヤー(農薬噴霧機)などに連動させ、農薬使用量と労働力の削減を同時に実現するソリューションを共同開発してきた。
協業の対象地域は、米国の一大農業地帯であるカリフォルニア、オレゴン、ワシントンの3州。これらの地域では果樹、野菜、ナッツなどのスペシャリティクロップの生産が盛んだが、農業資材の価格高騰、労働力不足、労働コスト上昇が喫緊の課題となっている。
Agtonomyは2021年設立のスタートアップで、カリフォルニア州南サンフランシスコに本社を置く。精密自動作業を実現するプラットフォーム開発とデータに基づくスマート農業の提供を手掛け、大規模農業経営を行う顧客のフィードバックを基に技術革新を推進している。
両社は今後、北米におけるクボタの農機ディーラーとも連携し、販売面や顧客サポート面での課題抽出を行いながら、スマートソリューションの事業化を目指す。世界的な農業人材不足が深刻化する中、自動化技術とデータ活用による持続可能な農業の実現が期待される。
■Agtonomy社について
会社名:Mooco Robotics, Inc. (d/b/a Agtonomy)
代表者:Tim Bucher (CEO)
本社所在地:米国カリフォルニア州南サンフランシスコ
設立:2021年
事業内容:精密自動作業を実現するためのプラットフォーム開発、及びデータに基づくスマート農業の提供
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