・2025年3月期決算説明資料で発表
油圧機器大手の油研工業は、2025年3月期決算説明資料の中で、グローバル市場におけるプレゼンス拡大を見据えた成長戦略を発表した。中でもインド市場の深耕と生産能力の強化を柱とする取り組みが注目されている。
同社は、インド子会社YUKEN INDIAの体制強化に加え、鋳物製造のGROTEK社、電装品製造のCORETEC社と連携し、生産・販売・開発を一体化。現地生産によるコスト競争力と短納期対応を武器に、インド国内だけでなく欧州市場への輸出拠点化も視野に入れる。
また、旺盛な現地需要を取り込むため、2028年3月期までに20億円規模の設備投資を計画。バルブとポンプを中心とした生産体制の強化や、自動化を含む生産性の向上、品質向上に向けた人材支援の拡充などを進める。とくに建設機械向けや射出成形機用ポンプ、欧州向け高圧大容量電磁弁の需要増に応える構えだ。
新製品開発では、納期対応力を強みに世界シェア拡大を狙う電磁切換弁「DSGシリーズ」や、高効率可変ピストンポンプ「Aシリーズ」の開発を推進。日本とインドの2拠点生産体制を整備し、原産地格差のないグローバル製品の市場投入を図る。
一方、生産面では、日本・台湾・中国・インドの各工場間で相互補完体制を強化。地の利を活かした拠点ごとの最適生産、情報連携を通じたグループ一体のシナジー創出により、納期短縮とコスト競争力の向上を狙う。
油研工業は、こうした施策を通じて、インドを中心とした新興国需要を確実に取り込み、グローバルサプライチェーン(GSC)構想のもとで、真のグローバル企業への進化を目指す方針だ。
油圧工業の2025年3月期決算説明資料(2025年6月2日公開)
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