・独キャタピラー社製エンジン活用でカーボンニュートラルへ貢献
JFEエンジニアリング(東京都千代田区)は5月29日、同社が2024年から販売する水素混焼ガスエンジンコージェネレーション設備「JFE-MWM/Hシリーズ」の水素混焼率を最大45vol%まで大幅に引き上げることに成功したと発表した。都市ガス専焼時と同一の出力と発電効率を維持しながら、この混焼率を達成したのは世界初となる。
同社はこれまで、ドイツのCaterpillar Energy Solutions GmbH(キャタピラー・エナジー・ソリューションズ社)が製造し、JFEエンジニアリングが日本国内での販売権を持つ400~800kWクラスの都市ガス専焼高効率ガスエンジンコージェネレーションシステム「JFE-MWMシリーズ」を展開。これを水素混焼用に改良し、都市ガス13A専焼時と同出力・同レベルの発電効率を維持したまま、水素混焼率最大25vol%の「JFE-MWM/Hシリーズ」として2024年5月より販売を開始していた。
その後も水素混焼率向上に向けた実証試験を継続。その結果、今回、45vol%の水素混焼率でも都市ガス13A専焼時と同一出力、同レベルの発電効率を達成した。水素混焼では、混焼率の引き上げと、発電効率の維持、さらに窒素酸化物(NOx)の低減を両立させることが困難とされてきたが、Hシリーズでは発電効率を維持しつつ、NOx排出基準の上乗せ規制値である200ppm(O₂=0%)以下をクリアする性能を実現している。
Hシリーズの特長は、水素混焼率が45vol%に引き上げられても維持される。具体的には、従来の都市ガス13A専焼機を簡易なレトロフィットで水素混焼化した機種であるため、都市ガス13A専焼機として導入した場合でも、将来的に水素混焼仕様への改造が可能だ。また、ガスエンジンに都市ガスと水素の混合気を供給する都市ガス-水素混合装置も、今回の混焼率アップに対応している。運用面では、「水素混焼モード」と「都市ガス専焼モード」の2つの運転モードを搭載し、停電時には都市ガス専焼による自立運転も可能となっている。
JFEエンジニアリングは、長年にわたるガスエンジンコージェネレーションシステムの開発で培った知見を活かし、顧客のカーボンニュートラルへの取り組みに大きく貢献していく方針。
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