ジェイテクトが4月25日に発表した2025年3月期連結業績によると、売上収益が前期比0.4%減の1兆8,843億円、営業利益が38.2%減の384億円、親会社株主に帰属する当期利益は62.2%減の137億円と、減収減益となった。北米や欧州、中国など主要市場での需要低迷に加え、生産性の悪化や為替の影響が響いた格好だ。
自動車事業は、欧州・中国での減収により売上収益が前期比0.8%減の1兆3,331億円、事業利益は同14.9%減の383億円となった。北米では離職率上昇に伴う生産性悪化も課題となっている。
一方、工作機械部門は北米や中国での需要に支えられ、売上収益が同5.3%増の1,989億円、事業利益も18.1%増の174億円と好調を維持した。産業機械・軸受部門は日本や欧州での減収により、売上収益が同1.6%減の3,522億円、事業利益は同31.8%減の86億円と苦戦した。
こうした厳しい外部環境の中、同社は中期経営計画の初年度として、「ソリューションプロバイダーへの変革」を推進。全社横断で顧客課題に対応する「ソリューション共創センター(ソリセン)」を開設し、100件超の課題解決に取り組むなど、新たな価値創出に向けた布石を打った。
また、モノづくりの現場ではAIやデジタル技術の導入を進め、生産性向上を図ったほか、カーボンニュートラル実現に向けた「CNラボ」開設や自己株式の取得による株主還元強化など、持続的成長を支える体制づくりにも注力した。
2026年3月期の業績予想については、売上収益が1兆7,700億円(前期比6.1%減)、営業利益は500億円(同30.0%増)、純利益は200億円(同45.8%増)と、大幅な黒字回復を見込む。北米の収益性改善に向けたタスクフォースの派遣や、構造改革を進める欧州事業の立て直しなど、コスト削減と体質強化を両輪に、業績のV字回復を目指す構えだ。
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