クボタは5月29日、水道管路の更新計画策定を支援する新サービス「ハザード被害AI予測システム」と「断水エリア予測システム」の提供を開始したと発表した。地震や豪雨などの自然災害による水道管路の被害を予測し、老朽化による影響と組み合わせることで、断水リスクを最小化する更新工事の優先順位付けが可能となる。
日本国内の水道管路は総延長約74万キロメートルに及び、そのうち法定耐用年数である40年を超えて使用されている管路は20%を超える。老朽化による漏水事故が多発する一方で、耐震化の遅れも課題となっている。基幹管路の耐震適合率は全国平均で42%にとどまり、能登半島地震では浄水場や病院などの重要施設につながる管路が被害を受け、広範囲にわたる断水が発生した。
水道事業体は財政難や担い手不足に直面し、管路の更新が進まない状況にある。限られた予算の中で優先度の高い管路から更新を進める必要があるが、地中に埋設された水道管の老朽度を正確に判断することは難しく、優先順位の決定が困難だった。
こうした課題に対応するため、国は急所施設や重要施設につながる管路の耐震化を優先する方針を示し、水道事業体の業務効率化を目的としたDX技術の導入を推進している。民間企業にも水道事業体を支援するソリューション開発が求められる中、クボタは「断水影響度」という指標に着目し、更新工事の優先順位付けを可能にする2つの技術を開発した。
新サービスの導入により、水道事業体は断水影響度の高い管路を優先的に更新することで、市民生活への影響を最小限に抑える更新計画の策定が可能となる。クボタは、これらのサービスを通じて水道管路の維持管理を支援し、ライフラインの安定確保に貢献するとしている。
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