2025年5月28日、デリー/ムンバイ発、インド建設機械工業協会(ICEMA)は、インド建設機械産業がFY25(2024年度)に前年比3%の成長を達成したと発表した。総販売台数は14万191台に達し、前年度(FY24)の13万5,650台から増加した。国内市場の伸びは2.7%にとどまったものの、輸出が10%という力強い伸びを記録したことで全体的なパフォーマンスを押し上げた。インドは現在、世界第3位の建設機械市場としての地位を確固たるものにしている。
■輸出が国内低迷を補完、主要セグメントは総じて成長
国内販売台数は12万6,961台(前年比2.7%増)にとどまる一方、輸出は1万3,230台と前年の1万1,990台から約10%増加した。特筆すべきは、国内で販売された建設機械の98%がインド国内で生産されている点であり、インド製造業の底力を示す結果となった。
セグメント別では、土工機械が71%の市場シェアを占め引き続き最大セグメントの地位を維持。販売台数は9万9,159台と6%の成長を記録した。内訳ではバックホーローダーが5万3,133台(同セグメント内シェア54%)でトップを占め、クローラー油圧ショベルが3万5,816台(同36%)でこれに続いた。
マテリアルハンドリング機械は第2位のセグメントとして1万7,050台を販売。コンクリート機械は1万4,473台(3%増)、道路建設機械は7,002台、マテリアルプロセッシング機械は2,507台を記録した。一方、マテリアルハンドリングおよびマテリアルプロセッシングの両セグメントは、エンドユーザー産業の活動鈍化を受けてマイナス成長となった。
■国内需要の逆風 選挙・排ガス規制・資材高騰が重荷に
国内市場の伸び悩みについて、ICEMAは複数の要因を挙げている。2024年の総選挙に伴う需要の一時的な落ち込み、新排ガス規制の施行、原材料の調達難と価格高騰、さらに長引く雨季や資金調達環境の悪化、道路・農村インフラ分野におけるプロジェクト遅延などが国内需要を圧迫した。OEM以外の輸出(非OEM輸出)が19%増という高い伸びを示したことは、見かけ上の国内販売数字を押し上げる効果をもたらした一方、真の国内需要はさらに低調であった可能性を示唆している。
ICEMAのV・ヴィヴェカーナンド会長(カタピラー・インディア マネージングダイレクター)は次のようにコメントした。「FY25の3%成長は、困難な国内市場環境におけるインド建設機械産業のレジリエンス(強靭性)を示すものだ。選挙期間中の逆風により国内需要が影響を受けたが、輸出が10%という顕著な伸びを記録したことは、インド製建設機械のグローバルな競争力を裏付けるものである。この輸出の勢いは、今後予測される需要拡大に向けて、わが産業を有利な立場に置くものだ」
ICEMA次期会長でJCBインディアのCEO兼マネージングダイレクターを務めるディパック・シェティ (Deepak Shetty)氏は、「FY25は、さまざまな事情から、業界として戦略的な立て直しの一年となった。輸出が約10%増となり、低調な国内需要を一定程度補った。インドは世界第4位の経済大国に浮上しており、インフラ整備への注力を継続することは自然な流れだ。業界は引き続き強靭に、道路・高速道路セグメント以外の新たな成長ドライバーの開拓に期待している」と語った。
■国産化率98%が示す製造エコシステムの成熟
テレックス・インディアのジャイディープ・シェカール (Jaideep Shekhar氏、ICEMA産業分析・インサイトパネル コンビーナー)は、「FY25は国内成長の鈍化という課題があったが、インド建設機械産業の適応力は力強い輸出実績に明確に表れている。98%という国内生産比率と拡大する国際需要の組み合わせは、インドの建設機械エコシステムの成熟度と競争力を示している。今後の需要拡大を見据え、市場課題への対応と成長機会の活用に向けて、産官の連携が不可欠だ」と述べた。
ICEMAのシーマ・グプタ(Seema Gupta)事務局長は、「FY25の国内成長がほぼ横ばいとなったことは、総選挙と新排ガス規制の施行という二つの要因を踏まえれば、想定の範囲内だった。両要因が年間を通じた需要の変動を招いた。業界全体が示した底力は評価に値する。
ICEMAは引き続き、業界関係者および政府と緊密に連携し、将来の持続的成長を支援していく」と述べた。
■今後の見通し 政策支援と官民協力が鍵
業界では、インフラ投資の拡大と景気回復を背景に、建設機械需要が今後一層拡大すると見込んでいる。ただし、成長を取り込むためには、国内需要の刺激策、資金調達環境の整備、サプライチェーン課題への対応など、政府による政策的支援が不可欠とされる。堅固な輸出基盤と旺盛な国内製造能力を兼ね備えるインドの建設機械産業は、適切な支援体制が整えば、将来の需要増に十分対応できるポジションにあると業界各社は口をそろえる。
ICEMAはインドの主要建設機械メーカーを代表する頂点団体であり、加盟各社はインド国内で製造・販売される建設機械の95%超を占める。政策提言、産業調査、国際連携を通じ、インド建設機械産業の発展促進に取り組んでいる。